【銀魂】的中率20%

嫌な予感は止まらない ページ10

ー銀時サイドー




「ーーーあ！坂田さん、御機嫌よう！」

「げっ、やべ」




いつもの通り、ふらりふらりと街を散策していた時のこと。・・何やら聞き覚えのある声に
つい反応してしまう。


恐る恐る声の主を探してみれば、ーーあぁ、
やっぱりだ。黒のローブを見にまとい、
怪しげな水晶玉に手をかざす女の姿。

一瞬で、自身の顔が歪むのがわかった。



なぜだ。・・以前出くわしてしまったあの道は
散策コースから外したというのに。またしても
遭遇してしまうこの不運は何だ。







「ーーいいお天気でございますね。どうです？
一つ占っていきませんか？」


「・・・んじゃお前がいつこの世界から
消えて無くなるのか占ってくれ」


「もう！そんな心配なさらなくても、私は当分
死にません！坂田さんを一人にはしません！」

「いや違う。主に言葉の捉え方が違う」




別にこいつが死ぬことについて不安を抱いて
いるわけではない。むしろ死期はどうすれば
早められるのか知りたいほどだ。

人の話を聞かない上に無駄なポジティブとは
徹底的にダメな奴である。暑苦しそうなローブの中を覗き見るまではしなくとも、
その生き生きとした声音で表情は読み取れる。

愚かな勘違いに目を輝かせているのだろう。





「つか、いつまでんなモンかぶってんだよ。
もうすぐ夏だぞ。熱中症で死ぬぞ。いや別に
いいけどよ」

「占い師って黒いものをかぶってる印象が
ありませんか？何かかっこよくないですか？
顔が見えないって、影があってロマンが
あると思うのです！」


「知らねーよ」




もう疲れた。こうやって形から入る奴は
とことん失敗するのがオチなのだ。そうして
こいつも人生の行き先を間違えている。





「・・つか、営業場所変えたのかよ」


「はい！昨日の占いが、この道脇を指していましたので！おかげで坂田さんに会えました！
やはり私の占いは当たります！」


「何でお前の占いはことごとく俺に不幸を
招き入れるんだ？何？俺その水晶玉に何かした？昔ビー玉を高杉のパンツに突っ込んだこと
怒ってる？素材仲間的なあれか！？」


「何の話でございましょう？」

「わかんなくていいんだよ！」




無邪気な女というのは、可愛いで済まされるのだが、無邪気過ぎればそれはもう無邪気じゃない。鬱陶しいだけだ。どうしてくれよう。





「ーーーあ、坂田さん、一つご提案が」



嫌な予感は止まらない。

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