73* ページ23
やっと普通に話せると思ったのに。
ベクは毎回、私の期待を裏切る。
私は自分から、今までとは違うって言っておきながらベクに言われて胸が痛くなる。
パボだな私。
「私、もう行くね？」
この場をすぐ立ち去りたかった。
戻ろうとすると
ｸﾞｲｯ
！？
ベクに引っ張られて抱き締められるような形になった。
というか、抱き締められた？
「ベク！？」
BH「……今までとは違うよ……」
抱き締めているベクの腕は、少し震えていた。
BH「…俺さ……Aが好きみたい」
なんで？なんでそんなこと言うの？
親友としてなんでしょ？
「ベク、私もベクが好きだよ。だけど、そういうのはやめて」
BH「違う…友達とかさ、そういうのじゃなくて。。一人の女の子として。。」
そう言ったベクの声は力がなくて何かを恐がっているように震えていた。
ベク。嘘だよね？
「…冗談でも、そういうことやめてよ…」
BH「冗談じゃない」
ふざけてるんでしょ？
そうに決まってる。
ベクにも彼女いるし。
「ベク…。スジちゃんがいるんでしょ？そういうのやめて？」
BH「……ごめん……ごめん」
そう言いながら私を抱き締める力を強くしたベク。
その ごめん は誰に向けた言葉なの？
スジちゃん？私？
そんなベクを見て本気なんだって分かった。
ベクの腕の中は切なくて、
でも懐かしくて、
ジョンデとは違う何かを感じたんだ。
なんで私達は、こんなに空回りばかりするのかな？
ベクはなんで今更、好きって言い出すのかな？
もっと、
もっと早く気づいてほしかった。
私の心がまだ
ベクだけにあるうちに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chidae | 作成日時：2014年6月28日 17時
