誰が許すか29 ページ29
『及川さんッ!!』
俺は、お前の言葉なんて聞きたくなかった。
退部しろって言ったあの時...、
最後にAが言おうとしたこと。
及川『お前の言う事なんて何も聞きたくないよ。』
そう言って、耳を塞いだ。
だから、何を叫んだのか聞こえなかった。
どうせ、悪態だろうと思った。
及川「日付...退部した日で終わってる.....。」
岩泉「こいつ...最後の最後まで、何ッやってんだよッ!!」
岩ちゃんの声に、涙が混ざってる。
あ、あと1ページ残ってるみたい。
捲る。
『私は、青葉城西のバレーが、大好きでした。』
その一文だけがノートの真ん中に書いてあった。
及川「ッ!!」
見たく、なかったなぁ.....!
きっと、これだったんだ。
涙の跡がついた、ノート、
ちょっと、滲んでる文字。
涙が、声が、心が、
枯れるまで、2人で泣いた。
────そして、どうなるんだろうね?
及川「姫宮は、仕事してなかったって事じゃん。」
気づいてたんだ、どっかで。
調子が悪いから、とか、
仕事をちゃんと教えて貰ってないからスピードが遅いとか、
おっちょこちょいだから、とか、
重くてもてなかったから、とか、
応援に集中して忘れちゃった、とか、
じゃあ今までなんで部活が円滑に進んでた?
そして、今のこの状況は、なんだ?
俺達、Aがいた時はスポドリ作ってたっけ?
部室の掃除なんて、したことなかったよね?
朝練の準備してた?
岩泉「Aが.....全部抱え込んで、見えないところで頑張って、なのに.......。」
俺達は、そんな事も知りもしない...耳だって傾けようとしなかった、見ようともしなかった。
って、掠れた声で岩ちゃんが言った。
及川「謝って、戻ってきてもらおう。明日、教室に行こう。」
岩ちゃんが静かに頷く。
そう言ってその日は別れて、次の日の朝、教室に行ったんだ。
勿論、姫宮に見つかんないようにね。
MOB「Aちゃんなら、転校しましたけど。」
及川/岩泉「は.....?」
転校?
何それ、知らない。
じゃあもう全部、
手遅れ。
及川「俺達は、気づくのが.....、
遅すぎた。」
まだ、可能性があるなら、
会いに行くしか...ないよね。
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水無月のぞみ - 研磨や赤葦推しだからその2人のが読みたい! (2月20日 14時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
もちもちまる - 私はその姫宮のことを岩ちゃん風にクソ宮って言います(宮兄弟じゃないよ!!!?!?) (2022年4月25日 16時) (レス) @page12 id: 1c7bf85d9b (このIDを非表示/違反報告)
フェル!(プロフ) - もう本当に面白いです!最終話から見て何回も見直してます! (2019年11月28日 18時) (レス) id: a359259d3c (このIDを非表示/違反報告)
みずたまみさき - すごい!最初の一話から面白くて引き込まれました! (2019年1月8日 1時) (レス) id: 88a569b2f9 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - アオさん» 了解です!直します! (2018年3月20日 15時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨水無月 | 作成日時:2017年12月17日 23時