私は都合よくなんてない。

誰が許すか25 ページ25

─────青葉城西高校。




矢巾「.....遊馬、転校したってまじ？」




国見「まじです。」




やっぱり、先輩は知らないんだ。




そりゃそうだよね、姫宮に掛かりっきりだもんね。




1年のフロアに来たって、Aの存在に気づかないんだ。




矢巾「...なぁ、本当に遊馬が仕事してなかったって思う？」




国見「いいえ、思いません。」




矢巾「はぁ...前と言ってること違うけど...？」




そこに突っ込まれたら何も言えない。




でも、あれは建前だったから...、




照れ隠しだったから...、




って信じていたい、自分を正当化したいってだけかもしれないけど。




矢巾「アイツさぁ...応援とかしてくれた訳じゃないじゃん？」



国見「応援してたのは、姫宮だけ...。」




正直、たまーにうるさいって思うことあった。




矢巾「そう、なのになんで...裏に一瞬行っただけでスポドリが出てきてた？」



及川さん達ならきっと、早く来て準備してたんだよ！とか言い訳しそうだよな。




矢巾「及川さん達なら、早く来て準備してた〜とか言いそうだけど、実際来るの1番遅くなかったか？」



国見「そう、ですね。」



今もだけど。



矢巾「それにさ...もし、もし仕事してたら俺達は結構酷なことしてたのかもしれない。」



国見「...どういう事ですか？」



矢巾「俺達ほら...お前らと違ってレギュラーじゃないからさ、」




嗚呼、俺はまた知りたくない事、






違う、知らなければ楽だった事を知っていく。






金田一「何の話してるんすか？」




矢巾「あ、丁度いいからお前も聞いとけ。」





金田一「はい。」





俺は...ちゃんと遊馬と話をするべきだったと思う、




遊馬って聞くと複雑な顔をする金田一、




でもそういう矢巾さんは、俺なんかよりずっと、







かっこいいんだと思う。

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