故に私は君が嫌いだ！【文豪ストレイドッグス】

抗争の予感 ページ43

「右、左、左。…大分ましに成ったな。」







『ここ一週間の記憶が無くなるかと思いましたよ。』







ほぼほぼ半強制的に付けられた体力は取り敢えず一般人とは渡り合えるましさには成った故、国木田殿と手合わせをしている。





其れでも勝てた事は一度も無いが。








突如鳴り響く大きく戸を開ける音。







「国木田さん！Aさん！大変です、敦さんが！」







鬼気迫る表情でそう足早に告げたのはナオミさんだった。







「…！敦が如何した。」










「ポートマフィアに攫われたそうですわ。７０億の懸賞金を掛けられたらしくって、社員全員集合と社長が仰っています。」









『…70億？！』







目眩がするような金額だ。











然しポートマフィアと云うことは、あのよくわからん男も居ると云うことなのではないだろうか。









『国木田殿、この場合って、芥川龍之介も居ますよね。』







「嗚呼、恐らく。お前はあまり接触しないように、それと余り無闇矢鱈に異能を使うなよ。」





　




皆が集まっている部屋に足早に駆けながら会話する。










出来ればもう会いたくは無かったが、仕方無い。








稽古を付けて貰った以上、腹を括らなければ。

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