故に私は君が嫌いだ！【文豪ストレイドッグス】

改見 ページ17

「じゃｧA、さっそくだけどラムネと銅鑼焼き購って来てよ！」


『らむ…ね？どらやき？』



どちらも聞いたことのない名前だ。



「嗚呼そっか判らないのか。えっとねラムネはこんなので、銅鑼焼きはこんなのね！一つは食べて善いよ」



…！食べ物なのか。



江戸川殿の描いた絵を見る限り美味しそうなのは間違いない。



『判りました江戸川殿！らむね、とどらやき、購ってまいります！』



「気をつけてね〜。あとその“江戸川殿”っての、堅苦しいから乱歩さんにしてよ。」


『らんぽ、さん。』


「それでよｫし。」




社長室、もとい建築物(ビルチング)を出ると、其処には大きな大きなヨコハマの街が。


毎日生きることに必死で、そういえばヨコハマをきちんと見たことはなかった。


思えば其処にある郵便ポストも、デパァトも港も！凡てが物珍しい。



此からは心置きなくこのヨコハマで暮らせるのだ。




私が何処で生まれたのか知らないが、ヨコハマも案外懐かしいような気もする。



いけないいけない。物思いにふけっていては、らむねもどらやきも購えぬではないか。


弾む足取りで、通りにある駄菓子屋に足を運んだ。

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