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鈴の鳴る前 ページ4

ある晴れた昼下がりの午後。


すっかり抜けなくなった癖で、私はピアノの椅子に腰を下ろす。


一通りソナタを弾いて、息を吐く。


習慣になっているのだろう。皆がご飯を食べるのが当たり前のように、私は音楽をする。


でも決して私にとって音楽は楽しいものではない。


辛い過去、辞めたくなった思考、反射神経の如く動いてしまうこの耳も、


一番嫌いなのは歌うこと。


歌うことは辛いこと。


社交辞令と共に浴びせられる賞賛の声も、母の貼り付けた外での笑みも、


思い出したくないのに。


私の心の花は鈴蘭だそうだ。


鈴蘭の花言葉は「純潔」「謙遜」


華言葉は『再び幸せが訪れる』


私は賞賛の声も素直に受け取れない。


謙遜だって出来ない。


再び幸せが訪れる?そんな事在るのだろうか。


私が幸せって感じたときって、いつだったっけ。


私はこの春から希咲学園の学生となるわけで。


何時までもジレンマを引き摺ってはいられないのだ。


花が消え失せたこの世界で、花を蘇らせる可能性を秘めている花咲。


そんな大層なものに私はなってしまった訳だけれど、


私の心の花。鈴蘭って、どんな感じなんだろう。


絵は図鑑で見たことがあるから、どんな形でどんな色をしているのかはなんとなく分かる。


本当に鈴みたいな、白くて、素朴で可憐な花。


だけど、本だけでは分からない。


どんな大きさで、触ったらどんな風になるのか。想像だってできやしない。


純粋に花には皆興味があるもの。


私が、こんな私が心の花を咲かせられるのかは分からないけれど、今は勉学に励もう。


人々の可能性を、私が壊さないように。


音楽は、一旦忘れよう。


叔母さんだってそう言ってくれた。


無視の出来ない胸騒ぎと、何時の間にか曇天に包まれた空を見上げて、私はまた溜め息をつきながら、純白のポロシャツに腕を通した。
 


ーーーーーーーーーーー
希咲学園入学前の涼花ちゃんifストーリーです。

いやぁ私が年を重ねるごとに消え失せてゆく語彙力と文章力と画力。

力というものは年とともに零れ落ちて行くのですね南無三。

涼花を知る 弍→←慧さん



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うみねこ(プロフ) - クローンNさん» わわわ有り難う御座いますっ!!!!!!!!!クローンN様のイラスト、ポージングがめちゃめちゃお洒落で、お洋服のセンスもさることながらお顔がっっ!!!ばちくそ好みなので!!!!!!そんな事いってもらえて大歓喜です!!!!私もクローンN様応援してます!!! (8月28日 21時) (レス) id: da0e886cf3 (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - シャーペンの芯さん» えへへへへめっちゃ嬉しい!!!!えみるちゃんのキャラデザが良すぎて描くのめちゃくちゃ楽しかった!!!!!!また描かせて下さいっ!!!!!! (8月28日 21時) (レス) id: da0e886cf3 (このIDを非表示/違反報告)
クローンN(プロフ) - こんにちは、描いてもらったの嬉しくて飛んできちゃいました!もう絵がお上手!!私は全身絵もアナログ絵も両方上手く描けないのでうみねこさんには本当に尊敬しかありません……!これからも応援してますね!! (8月28日 12時) (レス) id: a1ff7faa4d (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - えみるを描いてくれて本当にありがとおおおっ!!(感激)私服のセンス良すぎよアナタ…()彗ちゃんも凉花ちゃんも美しすぎて尊い…。 (8月28日 12時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみねこ | 作成日時:2021年8月27日 19時

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