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兄が14人 ページ15

貴「アンタは、俺の爺さんだ。ずっと、ずっとずっとその背中を見てきて育った。

俺は、爺さんが大好きだ。本音を言えば、死んで欲しくねぇ。

教えて欲しい事が、いっぱいある。だけど、昔から頑固なアンタだ。

俺の頼みなんて、余程の事がねぇ限り聞いちゃくれなかった。」

閻魔「ハッ、ハッハッ、そうじゃ、のぉ。」

貴「でも、これは聞いてくれんだろ?逝けよ、爺さん。」

俺のその一言で、その場のぬらりとエンマ

元祖・本家の大将と幹部以外の全妖怪が非難の声をあげた。

俺はそんな奴等の声なんて聞かずに、言葉を繋いだ。

貴「スクッ)アンタが守ってきたこの妖魔界。まだ頼りねぇ餓鬼だが、俺が守る。

だから、んな心配そうな顔してねぇで、もう休めよ。

ゆっくり、休んでくれ。長い、間、お務め、ご苦労様、でした(スッ」

なるべく、笑顔を作り、心配をかけないように振舞ったが、喋る最中に目元が熱くなる。

喉の奥が、苦しい、声が、震える、目から水が、溢れてきやがる。

人前で泣くなんて、だらしねぇ。何やってんだよ、俺。

まだ、頭を下げたままの俺に爺さんは手を置き、優しくゆっくりと撫で始めた。

閻魔「ナデ、ナデ)お主は、本当に、優し、子じゃ。ありがとうのぉ。A。

嗚呼、ワシの人生、良き、か、な……____。」

体が脱力し、重力に従って手が落ちる。体温は急激に冷えていき、身体が固くなる。

あぁ、爺さん。逝ったのか?逝っちまったのか?

俺達を置いて、逝く、なよ、俺、まだ、アンタに、恩返ししてねぇよッ!

泣き叫びたくても、俺は王族の長男。恥を晒すなど、爺さんの面汚しだ。

妖怪達が爺さんに縋り付いて泣き叫ぶのを見て、俺は元の無表情を作り、部屋に帰った。

部屋に着いた俺は、ベッドの上で足を抱える。

皆、泣いてた。あの堅物な土蜘蛛ですら、静かに微笑みながら、泣いてた。

真面目で、しっかり者のぬらりも、無理に笑顔を作ってる大ガマも

素直に泣かずに、唇を噛み締めながら、端にあった柱に寄り掛かりながら、キュウビも泣いてた。

涙をッ、俺が泣いたら、涙を流したら、示しが、つかねぇ。

どうしよもない心の痛みに耐えながら、まだ机の上にいくつか残っている書類を、片付ける。

ヌラリ「コンコンッ、ガチャ)A様、若様が_

A様、何、をッ!?」

貴「見て分かんねぇか?書類の整理だ。」

ヌラリ「今はそんな時では((貴「黙れぬらり。エンマの側にいろ。」ッ!見損ない、ましたよ(バタンッ」

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黒耀(プロフ) - リクさん» リクさんお久しぶりです(*^^*) (2020年3月20日 3時) (レス) id: 6196cbc98e (このIDを非表示/違反報告)
リク(プロフ) - お久しぶりです!リクです! (2020年2月15日 23時) (レス) id: 8a65326b5e (このIDを非表示/違反報告)
黒煙(プロフ) - 林檎花火さん» なんと!?そ、それは大変だ、いやしかし!それぐらいの事を成さなければ作者とはな乗れないッ!!!!←ただのキチガイ馬鹿。 (2018年11月25日 23時) (レス) id: a70d2690ad (このIDを非表示/違反報告)
林檎花火 - そ、そんなことをしたら…!!俺は俺は!表情筋が動かなくなってしまううう!←ただのキチガイ (2018年11月25日 23時) (レス) id: 4875c4be7d (このIDを非表示/違反報告)
黒煙(プロフ) - 林檎花火さん» マジですか!?ならもっとニヤけてるつって頂けるように頑張ります!!!←頑張る方向性がちょっとずれる (2018年11月24日 16時) (レス) id: a70d2690ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒耀 x他3人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月6日 17時

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