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三郎と目配せを交わし、川に飛び込む。
読みが甘かったのかその時の衝撃で2人とも気を失ってしまった。
幾らかか時間が経ってふと目覚める。頭がぼーっとして今自分が置かれている状況が分からなかったがじわじわと思い出してくる。
三郎は手を繋いでいたからか私の近くに居た。
岸に流れ着いたのはラッキーとして三郎が一向に目を覚まさない。呼吸はしているからきっと大丈夫なはず。とりあえず木のそばまで運ぼうと三郎を引っ張る。
三郎を運び終えいくら待っても目が覚めない。体制が悪いのかと思って所謂膝枕をし呼吸がしやすいようにしてみた。そうしても全然目が覚めない。
人工呼吸した方がいいのか…？これ。
人工呼吸とは言えど初めてのキスをここで捧げてもいいだろうかと考える。
いや！三郎の命がかかってるんだからそんなの気にしてられない！と振り切って覚悟を決める。
大きく息を吸って、肺に空気を入れて、
三郎へと唇を合わせに行く。
その少し、ほんの少し前で三郎が目を覚ました。
まさかこんな状態で目を覚ますなんて思ってもなくて後ろの気に背をぶつけるほど驚く。
鉢｢いてて…A先輩目覚めのキスしようしてました？｣
｢人工呼吸なんですが…｣
うわー目覚ますんじゃなかったという三郎。川に沈めてやろうか。
｢あ、密書大丈夫？水に濡れちゃったけど。｣
密書もってるのに飛び込むなんてやらかしたなーと心配になった。
鉢｢大丈夫ですよ。ご覧の通り。一体どんな方法で書いたんですかねこれ。｣
｢たしかに。｣
会話の流れが一通り終わり沈黙が生まれる。ふと考えてみたら今回の課題私がやらかしてこんなことになってしまっている気がした。
足を怪我してそれが原因でバレ、逃げ道を間違えて川に飛び込む…あ、元結も交換したのでそれも追加として。
少し申し訳なく感じてきた。
｢ねぇ三郎。今度私の奢りでご飯食べに行こうよ。今日なんだか申し訳なく感じてきたからそれのお詫び。｣
鉢｢うわぁなんか珍しいですね。じゃあお言葉に甘えて。高いところ行きましょ。｣
洋菓子とかステーキとか行きましょうかとわざわざ高いところを選んでくる三郎みたら、奢る気が失せてきたのはここだけの話。
鉢｢路地裏でのA先輩のあれ、きり丸に言ったら新聞作って売りさばいてそうだよね｣
｢絶対言わないでよね！！｣
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作者名：ぽぽぽ | 作成日時：2023年7月17日 20時
