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鉢「ここまで来れば大丈夫ですよ。」
「取れた?密書」
鉢「そりゃあもうばっちし!」
この通り!と密書を見せびらかしてくる。
取れたようで何よりと思っていたら密かに足音が聞こえる。
「しっ…足音聞こえる…」
「くそ…あいつらどこ行きやがった…?」
「そっちいたか?」
「いや。全然いねぇ。」
『ヤバそうだね。今もの音立てたらばれちゃうから逃げれない。』
鉢『ですね。ここで隠れてましょう』
と矢羽音で会話する。
「ちょっと待て。あの路地裏に誰かいるぞ。」
やばいバレる!と思ってすかさず三郎を抱きしめる。
「も〜久々にあったんだからもっと私とイチャイチャしてよ。」
何事!?という顔でこちらを見る三郎。『いいから合わせて」と矢羽音でいう。
鉢「ごめんね。君を見ると照れてしまって…」
「違ったみたいだぞ…ただの恋仲だ。」
こんな恥ずかしい会話をしていたという事実に気づき恥ずかしくなっていたから油断していたのかもしれない。
「まて、あの女の着物血が滲んでる…さっき俺が切りつけた女だ!」
「ばれた…逃げるよ。三郎!」
走る度に痛む太ももを無視して三郎の手を引っ張り無我夢中で走る。
走ることに集中しすぎて逃げているルートなんて全く気にしていなかったから崖に追い詰められてしまった。
「ここまでこりゃ逃げ場はねぇぜ。」
「その密書返してもらったら生きて返しはしてやるさ。」
「早く返すんだ。」
ジリジリと崖の端まで追い詰められる。ふと下を見ると川が流れていた。この高さなら飛び降りても大丈夫かもしれない。
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作者名:ぽぽぽ | 作成日時:2023年7月17日 20時