見つけ出す方法の段 ページ35
あれから準備も(多分)無事終わり、式も順調に進んだ。
学園長先生の解散の声と共にみんな、それぞれの荷物を取りに行く。
「…こんなに人多かったら会えないかも。」
そう思って待ち合わせをしているけど、自分の荷物を素早くとってきり丸を探しに出る。
「1年生の長屋ってどこだっけ。」
これだから方向音痴は困る。
てかそもそも複雑な構造してるこの学園が悪いんだ。そうに違いない。
なんて脳内で自分の非を正当化しつつ目を凝らしてきり丸を見つけようとする。
……もしかして、これ銭を手の中で振って音を鳴らせば自然と向こうから来るのではないか。と考えに至る。
やって見て損は無いと思う。
何してんのあの人、と言わんばかりの視線に包まれながら丸めた手で音を鳴らす。
暫く経つととんでもない速さで向かってくる人影、いや土煙?
何かわかんないけどきり丸って言うことはわかった。
き「A先輩!今ここら辺で銭の音しませんでした?」
「あ、それ私が鳴らしたの。」
きり丸見つけれなかったから、こうしたら来るかなって。と説明する。
き「なんだ、そういう事ですか。」
少しガッカリしたようなきり丸。期待させてごめんね。
「それじゃ帰ろっか。」
準備できてる?と聞くとはい!と返事をする。
元気がありあまってて良い。実にいい。
き「A先輩、先輩の家ってどの辺なんですか?」
「そんな半日かかるような場所じゃないよ。
かと言って凄く近いって訳じゃないけど。」
山ひとつは超えるかな〜と説明するとみるみる顔が絶望していく。
「途中でご飯屋さん寄ろっか。
朝ごはん食べてれてないでしょ?」
美味しいお店知ってるの、というと嬉しそうな表情。
今度乱太郎やしんベヱを連れて行くのもありかもしれない。
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作者名:ぽぽぽ | 作成日時:2023年7月17日 20時