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「ただいま〜」

久「おかえりなさい」
なんだか冷めきった熟年夫婦のような会話をしてしまった。
これもまた手遅れだけど肩衣をきたまま水に浸かってしまった。こんなのこのまま制服をきたら風邪をひいてしまう。どうしようと慌てるが手遅れだ。

仕方ない。このままで渇くまで待つしかないな。

久「服着ないんですか?」

「いやぁ肩衣きたまま川入ってさ〜風邪ひくかなーって…」

こいつアホだ…って顔をする兵助。そんな顔しなくてもいいじゃないか!

久「でも、先輩は無防備ですね。そんな格好で年頃の男のそばに座るなんて。」

「年頃の男って兵助のこと?そんな大人みたいなこと言っちゃって〜私からしたらまだまだ子供よ。」
実際年は近くても私にとって可愛い後輩だ。

久「それどういう意味ですか?」
いつもより低い声。兵助、怒ってる?
なにか私やらかしただろうか。

久「もう昔とは違って先輩より大きいんですよ。」
木にもたれかかって座る私の前に向かいあわせで座る兵助
あれ?この流れ雷蔵あたりと同じだけど大丈夫??

久「この前雷蔵から聞きました。色仕掛けをしてもあまり動じなかったって。なんなら『いつでも練習相手なるよ!』っていわれたって。」

自分的に結構焦ってた上に恥ずかしいことを5年生間で共有されてることについて異議申し立てたかったが抑えた。

「そ、そんなこともありましたね?」
あの時の二の舞になると想像したら焦って言葉がおかしくなった。

久「ふふ…でも見た感じ雷蔵の時より動揺してるんじゃないですか?少しは意識して貰えました?」

意識って何の話だよ雷蔵となにか張り合ってるの?
これは物凄くヤバい。宜しくない雰囲気が流れている。

「あの〜もう日が暮れちゃうと思うんで宝探し行きません?」

久「まだ大丈夫ですよ。もう少し二人きりで…」
と、何か言いかけたが次の瞬間兵助が崩れ落ちた。

「え、?え?え?」
付近を見ると手裏剣が落ちていた。曲者…?気づかなかった…!生憎今は武器を持っていない。兵助を抱えて逃げるか…?
考えていると複数人の足音が聞こえてくる。
それと同時に身構える。今逃げてもきっと間に合わない。

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作者名:ぽぽぽ | 作成日時:2023年7月17日 20時

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