105話 ページ10
『荷が軽くなりました』
ﾏｰﾀﾞｰ「見栄はんな」
『………』
ﾏｰﾀﾞｰ「本当に外してよかったのか？」
『後悔するのはDS!ナイトメアです』
ﾏｰﾀﾞｰ「hehe…お前も後悔してるくせに」
『マーダーさんのそういう確信をついてくるところ嫌いです』
軽口を叩きながらもAの瞳からは涙が溢れていた
血をふき取って綺麗になった手の甲を見てマーダーは
目を見開くも何も触れずに包帯を巻き始める
『………わかっていても…苦しかった』
ﾏｰﾀﾞｰ「あぁ」
本心じゃないってわかっていても
怖いし嫌だし不安だ
『早く解いてあげないと……』
ﾏｰﾀﾞｰ「お前は寝ろ」
『DS!ナイトメアだって苦しいはず』
ﾏｰﾀﾞｰ「嗚呼…わかってる………でもお前一人でやろうとするな」
『………』
起き上がろうとするAをマーダーは小突いて寝かす
ﾏｰﾀﾞｰ「今日は営業中止だ………ゆっくり寝ろ」
『………ありがとうございます』
ﾏｰﾀﾞｰ「あぁ」
＿＿＿＿＿
＿＿＿
＿
ﾅｲﾄﾒｱ「DS!ナイトメア」
DS!ﾅｲﾄﾒｱ「………」
ある一室に閉じ込められたDS!ナイトメアは
ナイトメアを力なく見上げた
ﾅｲﾄﾒｱ「清々したか？」
DS!ﾅｲﾄﾒｱ「………」
別に束縛されている訳では無い
ただ部屋から出ることが許されないだけ
牢獄のように冷たい部屋でもなくふかふかの
ベットはあるし鏡だって机だってある
ただそこから出れないだけだ
DS!ﾅｲﾄﾒｱ「もか…は………？」
ﾅｲﾄﾒｱ「いるが………正常ではなかったとはいえお前は一線を超えたことを理解しているのか？」
DS!ﾅｲﾄﾒｱ「…………」
あの日以来Aは部屋から出てこなくなったらしい
起き上がる気力もなくベットの上で生活しているとか
ﾅｲﾄﾒｱ「どうだ？愛していたお前にあんなことを言われて立ち直れないAの現状を聞いて………どう思った」
DS!ﾅｲﾄﾒｱ「…………」
モヤモヤと霧に隠されたような気持ち悪さが胸に広がる
ココ最近ずっとそうだ
モカから聞いてAに嫌悪の気持ちが出てくると
同時にグルグルと何か忘れているような不快感が残った
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