そういう関係 7 -江口拓也-

心当たり ページ23

帰宅した拓也は何だかニヤついていて、無性に腹が立つ


ベッドに横たわる私を見ては、頬を緩ませ
トイレに行こうと起き上がれば、私の体を支えながら少し笑ったりもする

なんなんだよ。とは思いつつ、トイレの中でスマホを開くと、ゆゆからゴメンネ！！なんてLINEが届いていた


謝罪される心当たりなんてないのに。なんて思いつつそのメッセージにハテナだけ送り返して、トイレから出ると拓也が陽気に鼻歌を歌っていた





「待って」

江「え？www」

「お前それどこで知った」




その鼻歌はほんの少しだけ聞き覚えのあるもの

私のパソコンから勝手に聴いたのかと思ったが、絶対に違う
アイツだ




「ゆゆでしょ、絶対
だから遅かったんでしょ、なんなのマジで
マジ、もう……えぇ……意味分かんない」

江「とりあえずちゃんとベッド行こうな」

「アイツほんと……ホンットやってくれる」




拓也に手を引かれるがままベッドに転がされるも、頭の中はゆゆでいっぱいだった




江「あの曲、俺めっちゃ好きだよ」

「知らない」

江「なんでwwwww」

「うるっさい」




ねーーーえ、と頬をつつく彼を無視し続けていると、ぽつりぽつりと拓也が言葉を漏らし始めた




江「ずっとセーブしながらやってた声優の仕事増えてきたでしょ？
それにプラスして歌い手の方も最近ずっと忙しいじゃん

仕事人間同士だし、仕方ないけど二人の時間取れないのしんどい」

「……あっそ」

江「俺はAの隣で支えたいんだよ
ネットでどれだけ騒がれても俺はAの隣がいい」

「……ちゃんと歌詞覚えてるの腹立つ」

江「そりゃ大好きな奥さんが作った曲だからね」

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