そういう関係 7 -江口拓也-

本音 ページ22

-江口拓也-


Aの代理として出たラジオも終わり、家に帰ろうとした時にスマホに着信が入った


Aは寝てるだろうし、と誰だろうかと不思議に思いながら画面を見てみるとゆゆちゃんだった




江「お疲れ、どした？」

ゆ『お疲れさまで〜す
ラジオ終わってますよね、今から引きこもり用の家来れます？』

江「あー、いけないことはないけど」

ゆ『私今いるんで、待ってますね〜』





詳しいことは教えて貰えないまま、切られた通話

頭の中にハテナを抱えながらタクシーに乗り込み、以前Aから聞いていた住所を伝えた



道中、一応連絡はしておこうとAのとLINEを開いたタイミングで、ゆゆちゃんから誰にも言わずにと釘を刺されたもんだから、Aにも秘密でたどり着いたこの家





ゆ「お、おつかれーっす」

江「Aにも言うなとかさーあ？
なに？」

ゆ「ベッタベタのラブソング、聴かせてあげますよ」




Aに聞いたら、あれ世の中に出すつもりないんですって

そう笑ったゆゆちゃん

そういえばそんなことを言われていた


初めて踏み入れるその家に若干の緊張をしながら、これから聴ける曲に心躍らせた



ゆ「コーヒーでいいですか？」

江「あ、うん、ありがと」

ゆ「……Aって、昔からそうなんですよ
言いたいこと全部抱え込んじゃうから」

江「そうだねえ……」

ゆ「最近、あんまり2人で過ごしてなかったでしょ？
その反動じゃないかな、Aの本音みっちみちに詰まってますよwww」




そういって、彼女はそっとパソコンのマウスを操作してクリックした

流れ始めた優しいピアノの音に、スッと惹き込まれて、それに続く声はその音色以上に優しげだった

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