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ヲタ活報告書 ページ47 ページ47

「Aちゃん、無理はしないでくれ」

「え…?」

部屋に案内してもらっている途中にそう云う。

Aちゃんはクルリと此方を振り向いた。

その顔は眠れていないのか隈も酷く、やつれていた。

食事も充分にとれていないのだろう。

足取りも覚束無い様子だ。

「無理なんて…」

ほら、またそうやって…

「無理した様に笑っているじゃないか」

いつものAちゃんは、そんな風に笑わない。

ふわりと吹く春風の様に、暖かく笑うのだ。

「無理した様にって…」

Aちゃんは目線を下へ下げた。

「分からないんです…どう笑ったら良いか…今までどう笑っていたか…分からないんです…」

Aちゃんの目には涙すら浮かんでいた。

「そんな時は…」

  「笑顔じゃなくても、良いと思うよ」

自分でも、無意識に声が出ていた。

「…そう…ですね…」

「私は、莫迦でした。」

そう云ってAちゃんは泣いた。

私は何も声を掛ける事はせずに、ただ、隣で頭を撫でていた。

ただただ嗚咽するAちゃんを、包み込む様に撫でていた。

Aちゃんが落ち着く頃には、日が暮れかけていた。

「今日は本当に、ありがとうございました。」

夕日に照らされて、Aちゃんの表情はよく見えた。

雨上がりの空の様に晴れやかな表情をしていて、すごく安心する。

いつもの笑顔も戻ってきていた。

「明日から、ちゃんと出社します」

まだ少し、鼻声気味なのも愛おしい。

「あ、後これ。食べたくなかったら無理に食べなくても良いのだけど…」

コンビニの袋を渡すとAちゃんは「そういえば、お腹が空きました」

と云った。

非常に可愛い。

「後でありがたく頂きます…!」

嗚呼、今日も推しがてぇてぇ

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雨靄古鳥 - ココロさん» ありがとうございます!今連載しているのが終わったらもしかしたら続編作るかもしれないです!! (2023年3月20日 15時) (レス) id: 668c2d07b5 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 完結おめでとうございます。また、機会があれば是非かいてほしいです! (2023年3月16日 15時) (レス) id: cba0ca25c5 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - .さん» コメントありがとうございます!承知しました。ありがとうございます! (2023年1月23日 15時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - コメント失礼します。いつも作品楽しませてもらってます。太宰さんも夢主ちゃんも可愛くていつも口角が思わず上がります。新作ですが、太宰さんの後任幹部ちゃんのお話が是非読みたいです。 (2023年1月22日 23時) (レス) @page22 id: 26f49bff07 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - クラゲさん» はじめまして!コメントありがとうございます!!後任夢主ちゃんですね!了解しました!ありがとうございます!! (2023年1月22日 19時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨靄古鳥 | 作成日時:2023年1月9日 21時

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