ヲタ活報告書 ページ46 ページ46
次の日、Aちゃんは仕事を休んだ。
社長室に「今日は休ませてください」と云う置き手紙が置いてあった。
この様な事は初めてで、社内は混乱していた。
「どうしてAちゃんが」とか「珍しい」とかの声が多く聞こえた。
「太宰」
Aちゃんの事を考えていると、乱歩さんから声をかけられる。
「今日は早退していいぞ」
え、
なんで、また、急に…
太 宰 ハ 混 乱 シ テ イ タ !
時計を見ても時刻は午前11時。
…え?
「今日の太宰、どう見ても上の空だし、この後もどうせ仕事進まないだろ。どうせならAのお見舞いでも行って来たら?」
…いやいいやいやいやいやいやいやちょ、ちょちょちょちょちょちょちょちょちょ
推しのご自宅訪問…
死ぬて
いや、別にね?何かしようとかは考えていないよ?
「…此処で太宰がぐずる事は推理済みだよ。でもさ、推しが弱気になって精神的にやられてる時に助けてあげるのは、その推しに幾度も助けられてきたオタクである、太宰の仕事なんじゃないの?」
「…!」
確かに…!!!
「乱歩さん!私!行ってきます!!」
乱歩さんは笑顔で送り出してくれた。
ーーーーー
コンビニで比較的消化に良いものを買ってから、社員寮の猫谷と云う表札の横にあるスイッチを押した。
ピンポーンと機械的な音が扉越しに聞こえて、カタリと物音が聞こえた気がした。
中に、Aちゃんはいるのだろうか。
気分転換に何処かへ出掛けている可能性がある。
それに、もし仮に中にいたとして、出てきてくれるだろうか。
目の前で人が殺されて、同じ人に殺されそうになるなんて、普通の人なら有り得ないだろう。
もう二度と外へ出られないかもしれない。
「…どなたですか…」
チェーンをつけた状態でドアが開いた。
部屋は暗い様だった。
「Aちゃん、私だよ。太宰」
「太宰さん…?」
扉が開いている狭い隙間からジッと此方を覗いている。
「どうぞ…」
チェーンが外され、扉が開かれた。
「私が上がって大丈夫かい?一人で居たかったなら私は帰るよ?」
「いえ、大丈夫です」
そう云って笑った顔は、いつにもなく無理をしているのが分かって、胸が痛くなった。
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雨靄古鳥 - ココロさん» ありがとうございます!今連載しているのが終わったらもしかしたら続編作るかもしれないです!! (2023年3月20日 15時) (レス) id: 668c2d07b5 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 完結おめでとうございます。また、機会があれば是非かいてほしいです! (2023年3月16日 15時) (レス) id: cba0ca25c5 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - .さん» コメントありがとうございます!承知しました。ありがとうございます! (2023年1月23日 15時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - コメント失礼します。いつも作品楽しませてもらってます。太宰さんも夢主ちゃんも可愛くていつも口角が思わず上がります。新作ですが、太宰さんの後任幹部ちゃんのお話が是非読みたいです。 (2023年1月22日 23時) (レス) @page22 id: 26f49bff07 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - クラゲさん» はじめまして!コメントありがとうございます!!後任夢主ちゃんですね!了解しました!ありがとうございます!! (2023年1月22日 19時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨靄古鳥 | 作成日時:2023年1月9日 21時