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ヲタ活報告書 ページ45 ページ45

「どうしたのかい…!?」

Aちゃんは、酷く動揺していた。

「あ、…あれ…」

震える指で指したのは、血だらけになって倒れた女性だった。

キャストと、恋人らしき男性が近くに駆け寄っている。

取り敢えず、警察と国木田くん、与謝野女医に連絡してその場から離れる。

血の匂いが充満して居て、気が狂いそうだった。

Aちゃんは過呼吸気味になっている。

近くのベンチに座り、水を飲ませて落ち着かせた。

「はぁ…はぁ…っ…」

きゅっと手を握り締めて、宙を睨んでいる。

「……」

好きだ。

こんな時にこんな事を考えるなんて不謹慎極まりないが、尊い。

だって推しのこんなに攻撃的な表情は見た事がない。

その顔で踏んで欲しい。

…これ以上は新しい扉を開いてしまいそうなのでやめておこう。

兎に角だ、推しの見た事がない表情を見れば誰だって興奮するだろうと云う事である。

以上だ。

だけど、流石に…

私はAちゃんの握り締めている手を上から被せる様に手で覆った。

「ッ…」

此方を見上げるAちゃんの目は、迷子になって途方に暮れている子供の様であった。

「あまり握りすぎると、Aちゃんが痛いよ」

覆った手で器用に、力の抜けた手を開いていく。

「…太宰さん…」

「そろそろかな」

私がそう云った瞬間、何処からか刃物を持ったキャストが此方へ向かってきた。

近くへ来た時、足を引っ掛けてバランスを崩させて、刃物を取り上げた。

「ッ…!」

Aちゃんは驚いて腰を抜かしながらも、与謝野女医等に連絡を入れてくれた。


ーーーーー

その後、刃物を持っていたキャストを警察に引き渡し、私達は探偵社へと帰った。

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雨靄古鳥 - ココロさん» ありがとうございます!今連載しているのが終わったらもしかしたら続編作るかもしれないです!! (2023年3月20日 15時) (レス) id: 668c2d07b5 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ - 完結おめでとうございます。また、機会があれば是非かいてほしいです! (2023年3月16日 15時) (レス) id: cba0ca25c5 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - .さん» コメントありがとうございます!承知しました。ありがとうございます! (2023年1月23日 15時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - コメント失礼します。いつも作品楽しませてもらってます。太宰さんも夢主ちゃんも可愛くていつも口角が思わず上がります。新作ですが、太宰さんの後任幹部ちゃんのお話が是非読みたいです。 (2023年1月22日 23時) (レス) @page22 id: 26f49bff07 (このIDを非表示/違反報告)
雨靄古鳥 - クラゲさん» はじめまして!コメントありがとうございます!!後任夢主ちゃんですね!了解しました!ありがとうございます!! (2023年1月22日 19時) (レス) id: 41e37cad23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨靄古鳥 | 作成日時:2023年1月9日 21時

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