登坂広臣 ★ 短編集２ (ページ13)

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▼ : // 臣くん…しよ？ページ13

※ you side

「これ読んで勉強しな？」

「う、うん…」

友達に渡された１冊の雑誌。

ただのティーン雑誌だけど

私にとって他人事じゃない言葉が

大きく載っている。

［ ★高校生に聞いた、初体験特集★ ］

なんでこれを読むことになったかというと、

遡ること２日前…

「噂で聞いたんだけどさ、登坂君結構我慢してるみたいだよ？」

「我慢？」

「まだキス止まりなんでしょ？」

「う、うん…」

臣くんと付き合ってもうすぐ１年。

未だにキス止まり…

私にとって初めての彼氏

ということもあり大切にしてくれてる。

「Aは興味ないの？」

「えっ、な、ない訳じゃないけど…怖くて…」

だって凄い痛いって聞くし。

それに裸も見られるなんて恥ずかしい…

「いずれは通る道だよ？そろそろ覚悟してもいいんじゃない？登坂君を好きだって気持ちがあれば大丈夫だよ。」

「…うん。」

それで渡されたのがこの雑誌。

ペラペラめくりみんなの感想を読む。

けど…

［痛すぎてヤバかった］

［こんなの全然気持ちよくない］

［２度としたくない］

ぜ、全然いいこと書いてない…

ますます怖い気持ちが募る一方で

ある記事が目に入ってきた。

［痛かったけど心も体も１つになれて幸せだった］

私も臣くんと…

そんな気持ちがだんだん強くなってきた。

新しい下着買わなきゃ。

「…ねぇ、下着選び手伝って？」

「お、その気になったんだ？じゃあ明日の放課後見に行こっか。」

「うん、ありがとう…」

電話を切りまた雑誌に目をやると

携帯が鳴った。