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sideなし
夕方になり、乱志と桐磨は帰っていった。
手を振って、見送れば、向こうも振り返してくれる。
そんな感じで癒された鬼蜘蛛丸は水軍館に戻って、愕然とする。
何故なら、鬼蜘蛛丸以外の人達が鬼狼達にやられていたから。
鬼『な、何があった……!?』
義『鬼さ〜〜ん!!』
半べそになりながら、義丸が鬼蜘蛛丸に近付く。
義『彼奴ら、強さが尋常じゃないっ!』
鬼『何の?』
義『喧嘩の!!』
鬼『喧嘩って……。俺が彼の二人を見送りに行ってる間、何があったんだよ……』
義『何となく言った、"喧嘩"って、言葉に反応して、こうなった』
鬼『いや、判らん』
必死に説明する義丸を見かねてか、閑真が近付いてくる。
閑「あははー、俺達、マフィアは喧嘩って言葉に敏感なんです」
鬼『マフィア?』
閑「イタリアのシチリアで法の秩序に従わない、やくざ仲間。アメリカで、イタリア系移民を中心にした犯罪組織。さらに広く、暴力的犯罪組織の事ですよ。判りました?」
鬼『犯罪組織は判った……。いたりあってなんだよ…』
閑「イタリアやアメリカは外国の事です。此の時代で言う、南蛮ですかね」
鬼『嗚呼、そう言う事』
鬼蜘蛛丸が一人、納得しているとナイフが飛んできて、咄嗟に避ける。
鬼『! なんだ、此れ』
鬼蜘蛛丸は後ろに振り返れば、柱にナイフが突き刺さっていた。
鬼「ナイフも知らないのか?」
鬼『知る訳ないだろうがっ』
鬼「怒るな怒るな」
鬼『いきなり、投げといて、何言ってんだよっ』
鬼「ま、其れはどうでも良いとして」
鬼『お前な……』
鬼「何か、やる事があれば、手伝うぞ」
鬼『……………………………………………………………………………は……?』
鬼狼の口から、出た言葉に鬼蜘蛛丸は唖然とする。
唯の偉そうな奴だとばかり思っていた鬼蜘蛛丸は再度、唖然とする。
鬼「そんなに意外か?」
鬼『まあ……。他人に押し付けそうな感じだしな』
鬼「失礼だろ、其れ」
鬼『第一印象、最悪なんだよ。お前は』
第一印象で判断する鬼蜘蛛丸、性格が最悪かどうかで判断する鬼狼。
善くも悪くも、似た者同士の二人だった。
鬼『今はやる事は特にない。部屋に案内する』
義「了解ー。きり丸、行こうか」
きり「はーい」
鬼「…………乱太郎」
乱太郎の前に手を差し出して、顔を背ける鬼狼。
乱「♪」
鬼『バカップル共、さっさと行くぞ』
陵「流石に俺らは無実ですよ?」
閑「そうそう」
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作者名:睡蓮 x他2人 | 作成日時:2018年7月5日 13時