第13話 ページ14
子供鬼蜘蛛丸side
食べ終わった後、義丸を外に連れ出した。
今は夕日の沈んだ砂浜を二人で歩いていた。
義「おい、何処に行くんだよ。鬼蜘蛛丸」
鬼「煩い、黙って付いてこい」
義「今、言えよ」
義丸がパシッと俺の手首を掴んだ。
鬼「っ! 触んなっ!」
掴まれた手を思いっきり、振り払う。
義「わ、悪い」
鬼「もういい。彼の時の返事をする。俺はお前とは付き合わない」
義「……そうだよな、乱太郎の事が好きなんだろ。判ってるさ」
鬼「お前なら、もう少し、粘りそうなのにな」
義「粘っても良いわけ?」
鬼「絶対、粘るなっ。諦めろっ」
義「どっちなんだよ…」
ストップを掛ければ、義丸は呆れた顔になる。
義「ま、俺は振られて良かったかもな。大人の俺にはきり丸が付いてるから。10年後に会えるのを楽しみにしてるさ」
義丸が俺に向かって、笑い掛けた。
鬼「俺も乱太郎が付いてるからな。大丈夫だろ」
義「じゃ、戻るか」
鬼「嗚呼」
対して、大きな話題を話していた訳でもないのに、何で晴れ晴れとしてるのか、よく判らなかった。
義丸を見れば、キョトンとするから、笑えた。
義「鬼蜘蛛丸、好きだぜ?」
鬼「どういう意味のだよ………。恋とか言ったら、ぶちのめすからな」
義「相棒としてだよ」
鬼「そうだなっ。宜しくな、相棒」
拳を前に出すと義丸も拳を出して、擦り合わせた。
パリンッ!
水軍館に二人で戻れば、台所の方から食器の割れる音がした。
鬼「……!?」
義「何だ…?」
慌てて、向かうと台所にはAと舳丸がいた。
Aが舳丸の体に股がって、胸ぐらを掴んでいた。
『何も知らない癖にっ、勝手な事を言うなっ!!』
声を張り上げたAの声は僅かに震えていた。
舳「……A…」
『同情なんか、いらないっ。人の信頼も得たくないっ! 此れ以上、オレなんかに踏み込んでくるなっ!!』
舳「何言って……!?」
『………………………………………もう…………、誰も失いたくない……………』
舳丸の胸ぐらを掴んでいた手を離して、Aは顔を手で覆った。
指の隙間から、ポタポタと涙が流れてきて、舳丸の服の上に落ちて、吸収される。
流石にそろそろ、出た方が良いか……。
とかなんとか、思っていたら、俺達二人の間を誰かがすり抜けていった。
なんか、デジャヴが……。
後ろ姿は俺達の弟分のものでも、がたいの大きさが違っていた。
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みこち(プロフ) - もし宜しかったら、お越し下さい。更新楽しみにしてます。 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 失礼ながら、兵庫水軍を書かれていますが、実は私も最近はまりまして、書いてます。忍たま×ナルト異聞録という話の四段目の続編の、木の葉の火の絆という奴と、異世界食堂のコラボの第三弾に彼等を書いてます。其方も、続編楽しみにしてます。まだ書いてますので、 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 初めまして。みこちと申します。少し前に此方の作品を見つけました。凄く気に入りました!私も、忍たまの大ファンです。 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡蓮 x他1人 | 作成日時:2018年6月20日 20時