第11話 ページ12
sideなし
鬼『何がどうなったら、ああなるんだよ……』
気まずい空気の流れている子供二人の様子に大人鬼蜘蛛丸は呆れる。
義『知りませんよ。さっさと乱太郎、回収してください』
鬼『はいはい。おい』
鬼「あ、やっと、来たっ! 話あるから、来てっ」
鬼『は? お、おいっ』
大人鬼蜘蛛丸に気付いた子供鬼蜘蛛丸は眠ってる乱太郎を渡し、起こさないように腕を引っ張っていった。
無言のままの子供義丸に大人義丸は隣に座る。
義『好きだ』
義「…!?」
義『……とでも、言ったか? 鬼蜘蛛丸に』
義「…………」
子供義丸は無言で頷いた。
義『…当人だから、気持ちも判る。確かに鬼さんは好きだったさ、恋愛的に。でも、其れ以上に好きな奴が出来たから、普通に接してられる』
義「……其れがきり丸…」
義『まぁな。俺は会う直前までは鬼さんが好きだった。気持ちの踏ん切りをつけたかったのに鬼さんは乱太郎の話をよくするようになって、好きなんだなって、思った。町で途方に暮れてた所できり丸が偶々、現れて、話してみたら、きり丸も乱太郎が好きだったって』
義「……!」
義『お互いの想い人が好き合ってるなんて、思わなかったけどな。俺は多分、すがるような気持ちできり丸に甘えてるだけなんだ。残された者同士、気が合うのか、判らないけどな……』
はぁ…と深い溜め息をついた大人義丸の背中に誰かが寄り掛かった。
義『……!』
きり「そんな風に思ってたんすね…。情けの情をかけたつもりはなかったんすけど…。乱太郎の事は好きだったすけど、今は義丸さんの方が大事なんすよ」
義「……」
義『きり丸……』
義「俺の存在、無視して、イチャつかないでくんないかな…」
子供義丸の声は二人の耳には届かず、イチャつき出した。
子供鬼蜘蛛丸が先程、来ていた森の木の傍の丸太に二人は腰を降ろしている。
鬼『で? 話って?』
鬼「対した事じゃないけど、乱太郎の事、本当に好き?」
鬼『? 嗚呼、好きだぞ?』
鬼「さっきみたいに「愛してる」って言える?」
鬼『うん』
大人鬼蜘蛛丸がそう答えると子供鬼蜘蛛丸は安堵の溜め息をつく。
鬼『どうした?』
鬼「…いや、義丸に好きだって言われて……」
鬼『はあ? 彼奴はきり丸君が好きだっていってるし』
鬼「子供の方ね」
鬼『嗚呼……』
察したのか大人鬼蜘蛛丸は子供鬼蜘蛛丸の頭を撫でた。
鬼「なに…?」
鬼『いや、返事は判ってるだろ?』
鬼「…うん。______」
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みこち(プロフ) - もし宜しかったら、お越し下さい。更新楽しみにしてます。 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 失礼ながら、兵庫水軍を書かれていますが、実は私も最近はまりまして、書いてます。忍たま×ナルト異聞録という話の四段目の続編の、木の葉の火の絆という奴と、異世界食堂のコラボの第三弾に彼等を書いてます。其方も、続編楽しみにしてます。まだ書いてますので、 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 初めまして。みこちと申します。少し前に此方の作品を見つけました。凄く気に入りました!私も、忍たまの大ファンです。 (2019年10月13日 1時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡蓮 x他1人 | 作成日時:2018年6月20日 20時