4 JK ページ4
あの日以来、A先輩は忙しそうに業務をこなし俺に隙を与えない。
話かけてもひらりとかわし、業務連絡しか二人はしないし先輩はすぐに席を外し忙しさを演じているように思える。
いつも通り周りに冗談言って笑いをとっても俺はたぶん、避けられていた。
告白はしたけれど、まだ返事は聞きたくなかった俺はきっと今まで意識すらされてなかった。
だから避けられるのはある意味手応えはあるんだろうけど……面白い訳がない。
あからさまに距離空けらるなら縮めてしまえばいい、と負けず嫌いな俺は虎視眈々とその機会を伺い業務を詰め込んで彼女と二人きりの場面を作った。
時間外のオフィスで１人、パソコンを見つめるA先輩に手伝います、と声をかけてもあからさまに肩をびくつかせいつもの笑顔は少し引き吊っていて。
俺はそんな顔をさせたいわけじゃないのに。
まだ何も事を起こしてないのに前より広がる距離にもどかしさを感じても大丈夫、とバタバタと先輩は足早に資料室へと行ってしまった。
｢……あーあ。今は行かない方がいいのに。｣
誰もいない夜のオフィスに俺の呟きだけがぽつりと響き彼女のデスクを見つめる。
別に今は純粋に手伝おうと思ったのに
今朝と変わらず先輩は俺から目を逸らした。
この曜日のこの時間帯は確か……と思い当たるそれに対して代わりに行こうとしたのに。
たぶん先輩は今頃……と俺はゆっくりと資料室へと向かった。
社内の奥にある資料室。
そこはあまり人目につかず、頻繁に行く場所ではないし使う人もごく僅か。
オトナたちの不貞で不純なそれに使われているということを
A先輩は知ってるんだろうか。
僅かに扉が開いているからきっとここにいるはず、とあまり物音を立てずに室内に入ればその奥には黙ったまま立ち尽くしている先輩の背中が見えた。
普段は静かなはずの資料室。
その奥には更に小部屋があって、先輩はその小部屋の手前で驚き固まっていて奥では彼女ではない女性の……高い声。
……あぁ、遅かったか。
人付き合いが苦手な俺でも耳に入る噂なのに、なんて固まる彼女にゆっくり近づく。
それとは逆に先輩は驚いているのに目線はそこから離せず、ほんの少しずつ足が後退していて。
近づく俺の胸と、それに気づかないままの彼女の背中が
やがてとんっ、とぶつかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1932人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リサ(プロフ) - 一週間が君を収穫が一番大好きな作品です！ぴょんてでもピュアでもその後の2人が見たいです！！！！！！！もちろんぴょんて大歓迎です！！！！(大声) (2021年11月3日 19時) (
レス) @page46 id: 79c321d18e (このIDを非表示/違反報告)
ぴんた(プロフ) - ミイミイさん、好きなように書いて頂き、作者さんがイキイキと楽しむことが私達読み手にできることなのです。どうぞきばらずにありのままでいいんです。 (2021年11月1日 0時) (レス) @page48 id: 444b159c2d (このIDを非表示/違反報告)
Sai*(プロフ) - ピョンテだろうがなかろうが、好きな作家さんが好きなように書いて下さってそれを供給してくださるならばどんな形でも本望です。我徳です。どんとこい通り越してもっとやれなのです。 (2021年10月29日 1時) (レス) @page47 id: dc816130a5 (このIDを非表示/違反報告)
Yumi(プロフ) - 全然大丈夫です👍思いっきり次の作品も楽しんで書いて下さい！楽しみに待ってます✨ (2021年10月28日 22時) (レス) @page47 id: e48d648891 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツ(プロフ) - 今まで通りで大丈夫です！待ってます〜！ (2021年10月28日 20時) (レス) @page48 id: 16a26e8c98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイミイ
| 作成日時：2021年4月12日 9時
