おっさん女子、迫られる。【JK】 (ページ9)

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……おかしい。

いつも無表情なのに仕事しか興味ありません、って顔してんのに。
キャラ、壊れてんの？って突っ込みたいぐらいの可愛い微笑みになんか……ぐらってくる。

性別は女でも基本私はその場の盛り上げ役な存在で女性らしさは皆無だし、自分のこんなキャラも嫌いではないし毎日平和だ。

なのに、らしさは皆無なくせに赤面してしまう自分が一番おかしい。
ジョングクとは弟より歳が離れてるし意識する以前にそういう対象にすら入ってなかった。
私は見た目が普通だし分類的に、彼とは違うのだ。

　

　
JK｢……壁ドン、これであってます？｣

　

　

　
壁際に追いつめられた私があまりの近さに目を泳がせ
隙あらば逃げようとしても肩を掴まれ、また背中が冷たい壁に引き戻されて。

逃がさない、とでもいうように私の顔の真横にはジョングクの腕。

ばくばくと心臓が鳴るのはキャラ崩壊しているカタブツな後輩のせいで。
やがてその腕は軽く曲げられ、壁に肘をつき二人の距離は更に縮まって。

くんっ、と掬われた私の顎。
少し冷たい指先が強引に視線を上げさせて
ジョングクの瞳には自分の情けない顔が映っていた。

　

｢……こ、これは肘ドンと顎クイ……｣

JK｢…………？ちょっと何言ってるか分からないです。
ふふっ……顔真っ赤ですよ。意識してるんですか。｣

｢み、見んな！｣

JK｢……先輩、可愛い。｣

｢んなっ！？…………あっ……まって、……んっ｣

　

　
……なんだこれ。なにが起きてんだ。

まじでどうしたジョングク氏！なんて突っ込みたいのにこの距離に我慢ならない。
勘弁してくれ、と思うのにまさかの肘ドンに顎クイなんて……なんの乙女ゲーだよ！

狼狽える私を可笑しそうに笑う後輩がむかつくのに、振り払えない私は何なんだ。
胸はドコドコお祭り騒ぎだし、またもや私には似合わない｢可愛い｣の破壊力がえげつない。

背の高いジョングクのふにゃりと笑うそれが私とは違いすぎて可愛すぎて腹立つのに。
無自覚に色っぽい視線で私を見つめて、どこか甘い香りとその声色にこっちが……おかしくなりそうで。

ちゅ、と可愛い音を鳴らして暖かい熱が唇に重なる。

スルリと腰を撫でられてぐいっと強く引き寄せられてより密着する二人のカラダ。

踵が浮いて背伸びをする、こんなキスは初めてだった。

　

　