はじまりは、不純。

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確かこの辺だよな、とあの日の記憶を辿り仕事が終わると同時に俺はなんとかヌナの部屋に来た。



インターホンを押したものの、まだ帰ってきていないのか反応はナシ。





　


……俺は謝って……それからどうしたいんだろう。
後悔しているのは自分のあの嘘と強引さとずるさに対してであって。



彼女に触れて、抱いたことに後悔なんかしてない。



可愛くてあっかくて柔らかい彼女に初めて触れたあの日はなんか……止まんなかったしハジメマシテのくせに柄にもなく離したくない、と思っちゃって…………え。やっぱ俺って最低じゃないか、？







　


帰ってくるかわからないけれど部屋の前で少しの夜風に吹かれながら一人、悶々と考えるもどう謝っていいか今さらわからなくなる。



纏まらないまま、やっと出来た時間を見つけてここに来ちゃったけど俺は……



そんな時、こっちに向かって歩いてくる足音が聞こえてとりあえずマスクを整えたけれど……あ。






　

忙しい毎日に追われながらも集中したいのに俺は頭のどっかでは彼女のことばかり考えていて。


会いたい、と思っていたのは本当でちゃんと謝りたくて。
……あの日の最後、彼女が泣いていた理由が知りたかったんだ。





　


俺とヌナの目があって彼女はいきなりの俺の待ち伏せに酷く慌てて、俺もこんな迷惑な行動なんて初めてで。





久しぶりだからか、なんか……照れくさい。
でもやっと会えたそれに心の奥がぎゅっとして、また俺は自分のブレーキがおかしくなる。




言いたいことは山ほどあるのに、ちゃんと謝りたいのに。
人目を気にした二人があの日以来この部屋に入ってしまえば、俺の何かが全てを無視してたまらず抱きしめてしまった。
　







久しぶりの香りと暖かくて柔らかい彼女の全部になんか……酔いそう。
早く謝んなきゃって思っててもずっと会いたかったから。


やっと会えたんだって確かめるために抱きしめてしまえば、俺にヌナは待ったをかけたけれどわがままな気持ちが止まらなかった。



だって……ヌナ、抱きしめる俺を振り払わないんだもん。



最低なのに、ごめん。ってあんな一言で片付けた俺なのに。
簡単に部屋に入れちゃうし抱きしめられちゃってるし、これじゃあ俺……また調子に乗っちゃうじゃん。









　

｢……ジミン君、そろそろ離してっ…｣



｢……えー？……やだ。｣








　


　
俺に抱きしめられて赤面するヌナは……ズルイよね。





　



　

　

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