41 JN ページ41
頑なに床入れから逃げるA様の体調不良の様子を伺おうと向かえば、茶室から若い男女の声が聞こえた。
息を殺し、その会話に耳を済ませば
あの小娘は若い男を誘惑し、その企てに取り込もうとしているんだと分かり、それを理解するのにそんなに時間は掛からなかった。
…馬鹿な女。本当に浅はかで馬鹿だと心底思うのと同時に俺はため息をついて。
今夜、自分の寝床に来るように何度も若い男に抱きつき、唇を重ねる彼女に酷く苛立った瞬間だった。
あの男……名はチョン ホソクだったか。
齢は若く年頃で、真面目で勤勉で優秀な男…
その真面目さ故に簡単に騙されてしまったのか。
…あぁ……腹が立つ。
下手だったはずの小娘の口づけ。吐き出す吐息や漏れる高い声は俺しか知らないはずなのに……貴女は本当に俺を煽るのは天下一品だ。
今すぐ引き離したい衝動はあるのに、どこかまだ泳がせておくか、と握った拳を制し俺は踵を返して。
…貴女にはきつい仕置きをしなければならない。
夜も更けた頃、静かな足音があの部屋に向かっている。
忍ぶような足の運びは真っ直ぐA様の寝床へと向かい、俺はそれを……引き止める。
「…こんな夜更けにホソク殿はどちらへ?」
HS「……!貴方は…」
緊張した面持ちで躊躇いながらもその足の進行はあの部屋。
HS「……っソクジン殿には関係のないことですが、」
まさか、この場に俺がいたとは思わなかったのだろう酷く驚いた様子を見せたが、ホソクは俺の横を通りすぎた。
「この先は誰であっても足を踏み入れてはならない部屋がある…
まさか……A様の寝床へ行こうとしてるのですか?」
HS「!何故それをっ…」
「……貴方はご自分の立場をご存知で?
A様はユジュン様の側室……寵愛される姫の寝床に忍ぶなど随分勇気があるようで。」
冷静で静かに指摘する俺の言葉にホソクがぎゅっと拳を握りしめる。
……可哀想な男だ…小娘に利用されてるとは知らずに色恋に走るとは…
更に俺は追い討ちをかけた。
「これをユジュン様が知ったらどうなるんでしょうね…
さぞお怒りになった挙げ句、貴方はもちろん家族諸とも
……殺されても文句はありませんね?」
ぽん、とホソクの肩に手を置き……俺は耳元で囁いた。
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ぽち(プロフ) - シリーズ1…すでに色々ありすぎて、更新さられるたびにワクワクが止まりませんでした(≧∀≦)ホビさんが出てきたときとか、ジン様が復讐相手の実子だった時とか…もう何度も「なぬー!?!?」ってなりましたwシリーズ2も楽しみにしてます☆ (2020年7月4日 10時) (レス) id: f642a86e45 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - まだまだお話しが続くようで大変嬉しいです。今後の展開めっちゃ気になります。 (2020年7月4日 9時) (レス) id: bdb38dd673 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - 黄色ジャス民さん» ありがとうございます!嬉しいお言葉、感謝です。これからもぜひ、よろしくお願いします!更新も頑張りますね!(*^^*) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - 初めまして!小説読みました。めっちゃ大好きで今後の展開が気になります。これからも愛読していきます。 (2020年6月25日 7時) (レス) id: 9d40e02138 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさんありがとうございます本当に久しぶりですね……いつもありがとうございます!!こじらせ女子も準備中ですし、そちらの方も頑張るつもりですしこのお話もよろしくお願いしますねっ(*^^*)いつも暖かいお言葉本当にありがとうございます!大好きです(*^^*) (2020年6月18日 10時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2020年6月17日 10時