29 JN ページ29
この腕で引き寄せてそっと触れて、何度もきつく抱きしめて。
綺麗な黒髪は艶やかで甘い香りを放っては俺を挑発し、か細い声は耳を擽り俺は行き場のない想いに……蓋をする。
いくら強気で高飛車な発言をしても身体は正直すぎて
今まで誰にも触れられていないその反応は俺を一々刺激する。
性根の腐った父の悪行には目を瞑り、皮肉な運命のもと俺は深夜に彼女を乱しているけれど、それとは関係のないあの感情がまた溢れてしまいそうになる。
それを押し込めるために何度も唇を重ねてるのに彼女は全てが甘すぎて、綺麗で儚くて。
俺は自分を殺し任務を遂行させなければならないと分かっていても上手くいかない。
何も知らない馬鹿で浅はかな小娘、なんて。
それは本当に俺の意思で告げているのに、その度に眉を下げて大きな瞳を揺らす貴女に腹が立つ。
簡単に捩じ伏せられて簡単に乱されて。
呆気ないほどに無力な彼女がさっきから本当に腹が立つ。
華奢で小さな身体……寝着を剥いだその奥は真っ白な肌。
触れれば柔らかで暖かくて舌を這わせ舐め上げれば相変わらず全てが甘い。
小柄なくせに身体はちゃんと大人でその反応だって声だって女そのもので…俺はまた挑発されて……苛立つ。
……俺はずっと貴女が好きだった。
何故今さらこの国に来た、何故今さら俺の目の前に現れた。
何故……貴女は父の側室になることを選んだ…
復讐に取りつかれた女。
殺したいぐらい憎い私の父の血を引く俺に抱かれるなんて貴女は本当にどこまでも運がないしそれは俺も同じで。
自分勝手に触れては乱し、何度も揺らし呆気なく繋がった二人の身体に、俺たちは何を想うだろう。
ユジュン様がいない間に、俺たちは何度身体を重ねて一つになっただろう。
屋敷が国の主の帰還に沸き、忙しく出迎えて。
少し落ち着いた所で俺は自室に戻り、筆を持つ。
きっとA様はユジュン様から真実を聞き出している。
俺とユジュン様の本当の関係を知り、きっとその怒りを俺にぶつけるだろう。
……少し、からかいが過ぎたか…
広い屋敷を駆ける足音。
それは品のかけらもなく、感情のままに足音を鳴らしこちらへ向かってくるのが分かる。
書物のために持っていた筆を硯の墨に浸しながらも俺はほんの少し、口角を上げてしまって。
やがて ばんっ、と勢い任せに俺の自室の扉を開けた人物は怒りを露にしていた。
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ぽち(プロフ) - シリーズ1…すでに色々ありすぎて、更新さられるたびにワクワクが止まりませんでした(≧∀≦)ホビさんが出てきたときとか、ジン様が復讐相手の実子だった時とか…もう何度も「なぬー！？！？」ってなりましたwシリーズ2も楽しみにしてます☆ (2020年7月4日 10時) (
レス) id: f642a86e45 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - まだまだお話しが続くようで大変嬉しいです。今後の展開めっちゃ気になります。 (2020年7月4日 9時) (レス) id: bdb38dd673 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - 黄色ジャス民さん» ありがとうございます！嬉しいお言葉、感謝です。これからもぜひ、よろしくお願いします！更新も頑張りますね！(*^^*) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - 初めまして！小説読みました。めっちゃ大好きで今後の展開が気になります。これからも愛読していきます。 (2020年6月25日 7時) (レス) id: 9d40e02138 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさんありがとうございます本当に久しぶりですね……いつもありがとうございます！！こじらせ女子も準備中ですし、そちらの方も頑張るつもりですしこのお話もよろしくお願いしますねっ(*^^*)いつも暖かいお言葉本当にありがとうございます！大好きです(*^^*) (2020年6月18日 10時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱーふん
| 作成日時：2020年6月17日 10時
