11 JN ページ11
籠に乗せられ、遠くの国から出向き顔を見せた噂の女に城のもの全てが息を飲む。
俺の記憶の隅に残る彼女の印象はもうなくて、この女はある目的のためにやって来たのだと俺が理解するのにはそんなに時間もかからなかった。
絶世の美女、と例えられてもまだ若すぎて。
……生き急いでいるように思えた。
可憐な振る舞い、微笑みの奥は真っ黒で自分の価値を下げているような安い媚びの売り方に、俺は違和感を覚えた。
俺はただ、ユジュン様の側近として忠義を尽くすのみ。
昔の記憶なんて今はもう捨てて、誰であってもあのお方の夢や志を壊させやしない。
例え、ユジュン様が間違っていて卑怯で残虐な行いをしていたと分かっていても、俺はあの人に付いていくだけ……
だから、まだ若いA様の様子を伺うように試すように煽ってみれば
若いだけあって隠しきれてない企てや目論み、感情の切れ端が駄々漏れていて……本当に浅はかで馬鹿な女だと思った。
俺の言葉に反応するA様はある目的のためにこの城へ、ユジュン様に嫁いだなんて明白だった。
……小娘１人に何が出来る？
悪いが、俺がその目的を壊してやる。
あなたを城のもの誰にだって触れさせやしない。
……そして貴女を壊すのは俺だけで、充分だ……
そんな感情の切れ端を自分の胸に閉まったまま迎えた初夜の日。
人払いされた屋敷奥の部屋へとゆっくり歩き、僅かに灯りの漏れる場所の扉を俺はゆっくりと開いた。
緊張が滲む硬い表情は小娘らしく、小さな華奢な手は震えていて。
まさか足を踏み入れたのが俺だと分かれば、その大きな瞳は不安そうに揺れる。
事実を伝えたまでだった。
俺はユジュン様から命を受けてここに来た。
だから俺の目的は今から貴女を抱くことで、その身体に世継ぎを宿らせるのが目的。
思わぬ事態に目を見開き、動揺しても全てはあのお方の命令。
貴女もあのお方の側室ならばそれに従わなければならなくて、俺もそれは同じ。
この部屋から出ようとしてももう遅い。
今からここは夜伽が行われ、貴女は待っていたんだろう？
華奢な手首を取り少し乱暴に寝具へと倒せば
驚くほど非力で簡単に負ける脆さにこちらが驚く。
……そんなに小さく脆い貴女に何ができる……？
そんな疑問を持ちながら奪った口付けに
ほんの少しだけ……甘味を感じたなんて俺は……信じない。
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ぽち(プロフ) - シリーズ1…すでに色々ありすぎて、更新さられるたびにワクワクが止まりませんでした(≧∀≦)ホビさんが出てきたときとか、ジン様が復讐相手の実子だった時とか…もう何度も「なぬー！？！？」ってなりましたwシリーズ2も楽しみにしてます☆ (2020年7月4日 10時) (
レス) id: f642a86e45 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - まだまだお話しが続くようで大変嬉しいです。今後の展開めっちゃ気になります。 (2020年7月4日 9時) (レス) id: bdb38dd673 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - 黄色ジャス民さん» ありがとうございます！嬉しいお言葉、感謝です。これからもぜひ、よろしくお願いします！更新も頑張りますね！(*^^*) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民 - 初めまして！小説読みました。めっちゃ大好きで今後の展開が気になります。これからも愛読していきます。 (2020年6月25日 7時) (レス) id: 9d40e02138 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさんありがとうございます本当に久しぶりですね……いつもありがとうございます！！こじらせ女子も準備中ですし、そちらの方も頑張るつもりですしこのお話もよろしくお願いしますねっ(*^^*)いつも暖かいお言葉本当にありがとうございます！大好きです(*^^*) (2020年6月18日 10時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱーふん
| 作成日時：2020年6月17日 10時
