8 ページ8
ハッとして見上げた時にはもう遅くて
壁に押された私の手からお気に入りの麦わら帽子がぽすりと落ちてしまって。
私の抗議の声を塞いだのはテヒョンのあったかい唇で、いきなりの出来事に驚き行き場のない手は彼の衣服の裾を掴むしかなかった。
｢……！んむっ………テヒョンっ…｣
｢……ここ、俺んちだし二人きりなら文句ないでしょ？
我慢してるって俺言ったじゃん。｣
｢……ぷはっ……でもっ…｣
｢さすがにもうイチゴの味はしないけど俺はこっちの方が好き……Aがすげー好き。
だから、もっと…｣
相変わらずの減らず口と屁理屈は田舎でも都会でも健在で
私はこの状況に全部がおかしくなりそうで。
いい加減にして欲しい赤い実の話題を塗り替えるような彼のずるい低音の声が私の耳元を擽り、もう……何がなんだか、
もっと、ってテヒョンが私の腰を引き、より深く重なって。
静かな、たった今きたばかりのこの部屋に二人の荒い吐息を響かせてやがて熱い舌が私を奪ってく。
すげー好き、なんて彼の細めた瞳に私は勝てるはずもなく呼吸をするのがやっとだった。
でも私も。
もっと……
｢……あーもう、そんな顔だめだってば、｣
｢……っテヒョン、すき、｣
時と場合と場所を選べと言っても私はあの車の空間でさえ、色んな意味で酔いそうだったから。
テヒョンだけのおうちはもっと彼そのものみたいな香りでいっぱいで
そんな声で私の名前を読んで好き、なんて言われたら……私も言いたくなってしまう。
離れていた10年は思った以上に二人を変えて思った以上に私はあなたが好きで…寂しかったから。
だから、思うところは沢山あっても長い年月を埋めるように
この気持ちを今になってちゃんと伝えたいの。
たとえ、そんな顔はだめだと言われても私がぶさいくでも。
テヒョンも１番近くに感じれるこのキスも私……だいすきだ。
ちゅ、と鳴ってくちゅりと絡む二人の水音と私の腰を引き寄せる大きな手に心臓が破裂しそうでも、好きの気持ちが私らしくさせてくれなくて。
深いキスについていこうと不器用にぎゅうっとテヒョンの肩を掴んだ。
｢……はぁっ、……なんなのほんと調子狂う。
でもまだ足りない、｣
熱っぽい吐息を吐き出して熱っぽい瞳で私を引き寄せるテヒョンの大きな手が
私の素肌をスルリと撫でた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rei(プロフ) - わあおっっ🩷いいですねぇ〜テヒョンもヒロインちゃんも可愛くてたまらんです！ (2月18日 21時) (
レス) @page40 id: ca6de663e9 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 更新ありがとうございます(TωT) (2月18日 19時) (レス) @page40 id: 9b10fd0ddb (このIDを非表示/違反報告)
ててまり(プロフ) - 更新楽しみに待ってます! (2023年2月14日 10時) (レス) @page39 id: 7fc5a4834b (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 最高🫶🏻 (2022年5月13日 1時) (レス) @page39 id: cc2b0d8fad (このIDを非表示/違反報告)
ワカ(プロフ) - わぁぁぁぁ、、ドキドキが、、吐きそー笑笑 続き楽しみです(*´꒳`*) (2022年1月27日 12時) (レス) id: a0ff0eec18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイミイ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
