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信じられない展開の数々に翻弄される私と、それを進行形で押し進めるテヒョンの攻防戦に勝ち負けがあるのかは分からない、けど。
耐えられないこんな状況に逃げたい私は必死にクッションを手繰り寄せて顔を隠して、視界を自らシャットダウンさせたけど……こんなことしなきゃよかった。
ちゅーしたい、と私の耳を攻撃しながら(食べる)ゆっくり揉まれる自分の胸の感覚におかしくなりそうで。
びくりと跳ねるカラダも自分の変な声もその度に反応してしまい、そんな私を笑うテヒョンが楽しそうなのが悔しいから、顔ごとクッションに埋めた訳だけど。
生意気な彼の手にぺろんと捲られたシャツが私の素肌を露にして、ぷちゅりと食べられたのは耳じゃない。
ふわふわでもさもさな黒髪が私の胸に埋まり濡れた何かになぞられて、触れるだけの感覚とはまた違う強い刺激がテヒョンの唇や舌から与えられて思わず私はクッションを手放した。
「……やっ……あっ……テヒョンっ、」
「ちゅーさせてくれないAのせいだし。」
「っなにそれ………んっ、やっ…まって、」
「じゃあ早くこっち見て。」
ぷちゅ、とわざとらしい音を鳴らして私の胸の先端を刺激して。
屁理屈は一丁前で理不尽極まりなくて、唾液を含ませなから大胆に食べられるその感覚に私は何をどうすればいいのかわからない。
勝手に跳ねるカラダさえ理解できないのにその言い分はもっとわからないけど、びくびくと震えるばかりでじわりと視界が滲めば行き場の失った手がゆっくり取られころん、と背中がより一層ベッドに沈んだ。
「……んふふ。可愛いー。やっとこっち見た。」
「うぅ、……なんで……見ないでよ、も、やだっ」
「やだって言うなよ、見るに決まってるし何年離れてたと思ってるの。
今さら好きすぎて……すげー焦ってんのに。」
私の顔の横に両肘をついて見下ろしたテヒョンがにっこり笑って
大きなベッドがぎし、と鳴る。
可愛いは未だに信じれなくて、こんな展開が無縁だった私はとんだ田舎の地味な女なのに。
テヒョンは本当にどうかしていて私は耐え切れない全部にもう我慢の限界で、不細工全開な情けない表情でも今は気にしてられなかった。
ぼろぼろに零れた涙を無視して抗議した私はぼやける視界のままにテヒョンを見上げてもその表情も言葉もさっきとは違い、切なくて。
……心臓が、ぎゅーってなった。
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rei(プロフ) - わあおっっ🩷いいですねぇ〜テヒョンもヒロインちゃんも可愛くてたまらんです! (2月18日 21時) (レス) @page40 id: ca6de663e9 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 更新ありがとうございます(TωT) (2月18日 19時) (レス) @page40 id: 9b10fd0ddb (このIDを非表示/違反報告)
ててまり(プロフ) - 更新楽しみに待ってます! (2023年2月14日 10時) (レス) @page39 id: 7fc5a4834b (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 最高🫶🏻 (2022年5月13日 1時) (レス) @page39 id: cc2b0d8fad (このIDを非表示/違反報告)
ワカ(プロフ) - わぁぁぁぁ、、ドキドキが、、吐きそー笑笑 続き楽しみです(*´꒳`*) (2022年1月27日 12時) (レス) id: a0ff0eec18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミイミイ | 作成日時:2021年11月4日 20時