検索窓
今日:3 hit、昨日:29 hit、合計:284,254 hit

65 ページ15

今までで一番近くに見えたテヒョンの長くて綺麗な睫毛に、思考回路がまたもや停止する。
何が起きたのって、考える間もなくふにっと柔らかい感触が私の唇に触れてじんわり伝わるその熱、暖かさに。


……これがキスなんだってことはさすがに分かった。





 
でもびっくりしすぎて何も言えなくて。
言葉を発するよりも先に視界がより一層滲んで、瞬きをする度に情けないぐらい涙が流れてしまった。









 

「……泣かないでってば……あーもう……かわいーな。」

 
 
「……っテヒョン、……なんでっ」



「なんでって……分かんない?」









 


 
二人の唇が触れたのは一瞬かもしれないけれど、私には長く感じたそれがやがてゆっくり離れて。

 
私を抱きしめたままのテヒョンはそれと同時に
ぐっと腰を引き寄せた。


けれど、可愛いも好きも今のこの瞬間も……信じれる訳がなくて。


私はテヒョンの気まぐれに慣れすぎた。
だから、からかってるとしか思えないんだ。
散々ばかにしてからかってたくせに……いきなりすぎるよ、








 


「……分かんない…
私っ、馬鹿だし無知だから分からないよっ……だから、」



「うん。だから何回でも言うって。
俺はAが好き。

この頬っぺたも前髪に隠れてるおでこも全部。
全部……可愛いよ。」






 


 
 
 
何、言ってるの……そんなの信じれる訳ないじゃん。


急になにって言いたいことや文句はあるはずでも
好きと可愛いを紡ぐ唇が、私の顔中に押し当てられて熱を残してく。



私はテヒョンが好き、だけど。
彼のそれはきっと違うはず………夏の暑さと懐かしさと楽しさが、勘違いさせてるだけ。


手放しで喜べないし私はそこまで能天気じゃないの、






 

 
「……テヒョン、離して……」



「やだ。」







 

 
くすくすと笑い可愛いって言いながら
あったかい唇が、何度も私の涙を掬ってく。
くすぐったいのとその熱が与える感覚にいちいち肩が跳ねて……また涙が流れて。



深く考えずに私も好きって言えたらいいけど。
夏の暑さに勘違いさせられたテヒョンの私への気持ちは、きっと間違ってる。


だって……お互いにもう、別々の道を歩いてしあわせを見つけてるじゃん。
それ以前に二人には空白がありすぎるし生きる世界が違うし。
簡単にその生活を壊すなんてだめ、


離してよ……やだって、そんなこと言わないで。


もうテヒョンの気まぐれなんか……うんざりなの、









 
 

66→←64



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (571 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1384人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

tete?(プロフ) - 素敵すぎます!!キュンキュンしたし号泣しました!ぜひ続編が読みたいです! (2021年10月22日 20時) (レス) @page50 id: 9f2748196d (このIDを非表示/違反報告)
かおりんこ(プロフ) - 初めまして!可愛いキュンキュンするお話をありがとうございました!ソウル編ぜひお願いしたいです🙏💜 (2021年10月21日 20時) (レス) @page50 id: 938f0fcb54 (このIDを非表示/違反報告)
かづき(プロフ) - はじめまして。二人のかわいらしさにかは寄せられて、毎回更新が待ち遠しかったお話です。幸せな結末でうれしかったんですが、もう終わっちゃうのかと寂しくなりました。ぜひ、続編をお願いします。楽しみにしています。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 3327e12a6b (このIDを非表示/違反報告)
hal(プロフ) - はじめまして。楽しく読みました♪ ソウル編も読ませていただけましたら嬉しいです。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 17280345a0 (このIDを非表示/違反報告)
まりか(プロフ) - キュンキュンするお話ありがとうございます( ; ; )ソウル変更楽しみにしてます💜 (2021年10月20日 3時) (レス) @page50 id: fc911e40d3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミイミイ | 作成日時:2021年9月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。