64 ページ14
訳が分からないままいきなり浮き上がった私のカラダを、力強いテヒョンの腕が支えていて。
状況が良く理解できていないけど、目線が同じ高さで向かい合うこの感じは前にもあったあのコアラの親子抱きみたいな体勢。
酸素を直ぐ様取り込むも、至近距離で私を見つめ微笑むテヒョンは、私の野暮ったい前髪を綺麗な指先で掬って耳に掛けた。
え、なんでこんなことになってるのって
こっちは慌ててるのに俺の負けでいい。なんて笑ったままのテヒョンが分からない。
それに加えてこんな体勢も私の顔面を晒すようなその仕草もやめてほしくて。
だってまた馬鹿にするのがオチだし今あの言葉を言われたら
さすがに耐える自信がないから。
だから離してって精一杯抵抗したんだ。
離してって言ったのに離さないってより一層強く抱きしめられて。
ぶさいくって散々言ってきたくせに
可愛すぎる笑顔なのはあなたなのに
そんな微笑みで可愛いって言われて。
テヒョンの気まぐれと奔放さは私を惑わすには充分すぎてすぐに理解できなくて。
え、……いきなりなに、
思考が停止した私のおでこはイタズラっぽく全開にされて
それは嫌だし隠したいのに……ちゅ、と触れたあったかい唇。
……もう、テヒョンのからかいなんかうんざりだ、
そんな文句はあるはずなのに繰り返される口づけと彼の細めた瞳がいつになく優しくて。
もう我慢ができなくて、ぶわっと涙が溢れてしまったんだ。
｢泣くなって……ふふっ……可愛すぎだし。｣
｢……！……意味わかんな、……ふぇ、｣
｢Aが可愛いって言った。
分からないなら何回でも言う。可愛い、すげー可愛い……大好き。｣
何に泣けてるのかさえ分からない私の頬を滑る涙。
それをテヒョンの親指が拾って掬い、ちゅっと目尻に唇が押し当てられる。
聞き間違いじゃない言葉が繰り返され、優しい瞳と声色が私の心を震わせて。
ぎゅーっと強く抱きしめらてしまえばまた勝手に生暖かいそれがぽろぽろと零れた。
｢……う………からかわないでよ、…ぶさいくだってずっと、｣
｢何言ってんの。可愛すぎてまじでしんどい。
まぁ、真逆なこと言ってたのはごめん……許して。｣
｢そんなのっ、……んっ｣
高い空は晴れやかなのに私は涙の雨が止まらなくて。
顔中に当たるテヒョンの唇がごめん、を紡ぎながら
私の唇と重なった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tete?(プロフ) - 素敵すぎます！！キュンキュンしたし号泣しました！ぜひ続編が読みたいです！ (2021年10月22日 20時) (
レス) @page50 id: 9f2748196d (このIDを非表示/違反報告)
かおりんこ(プロフ) - 初めまして！可愛いキュンキュンするお話をありがとうございました！ソウル編ぜひお願いしたいです🙏💜 (2021年10月21日 20時) (レス) @page50 id: 938f0fcb54 (このIDを非表示/違反報告)
かづき(プロフ) - はじめまして。二人のかわいらしさにかは寄せられて、毎回更新が待ち遠しかったお話です。幸せな結末でうれしかったんですが、もう終わっちゃうのかと寂しくなりました。ぜひ、続編をお願いします。楽しみにしています。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 3327e12a6b (このIDを非表示/違反報告)
hal(プロフ) - はじめまして。楽しく読みました♪ ソウル編も読ませていただけましたら嬉しいです。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 17280345a0 (このIDを非表示/違反報告)
まりか(プロフ) - キュンキュンするお話ありがとうございます（ ; ; ）ソウル変更楽しみにしてます💜 (2021年10月20日 3時) (レス) @page50 id: fc911e40d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイミイ
| 作成日時：2021年9月9日 23時
