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小さな小競り合いをしょっちゅうする二人でも、大概は私が折れて負けて言いくるめられるのがお決まりで。
自分でもそれが嫌いじゃなくて、まぁいっかって小さく笑ってたけど……今はそんな風に思えない。
テヒョンを見れないまま背を向けたまま作業を再開させる私の謎の嘘……イチゴをもう収穫したなんて嘘はきっと直ぐにバレてしまうんだろうけれどそれさえ無視してめちゃくちゃな畑を片付ける。
「……さっぱりしたって……俺がいた数日は迷惑だったってこと?」
私の心ない言葉に間延びした声がふっと低くなる。
後ろにいる彼が今どんな顔をしてるかなんて考える余裕すらなく私は作業の手を進めた、けど。
……ううん。そんなこと、一度だって思ってないよ。
嬉しくて、楽しくて、毎日あんなに笑ったのは本当に久しぶりで
こんな日が毎日続けばいいのにって思ってた。
でも、今はそんなの言えない、言いたくない。
「……迷惑だったからこんなに今忙しいんじゃん。
テヒョンと私の仕事は全く違うけど農家をバカにしないで。
あの数日のせいですごく今、大変なの。」
「……俺、農家をバカにしたことなんて一度もない。
っていうか随分らしくない態度ばっかだしなんなの?
何に一体そんなに…………あ。」
私のあからさまな嫌味とツンとした態度にテヒョンの声が低くなって。
私のせいで苛立ってるんだって分かるけどそれでいい。
胸が痛いのなんて知らない、知るもんか。
けど、つまらない強がりはこの畑を見ればすぐに分かることで彼は何かに気づいて。
「……ねぇA。こっち見て?」
「…………やだ。そんな暇ない、」
ほんの少し柔らかくなった声色が私の名前を呼ぶ。
それでも振り向くことなく作業をする私はきっと大バカに違いない。
「……すげー足跡。わ、苗もめちゃくちゃじゃん…………そういうことか。
ねぇAってば、」
「……っわかったならもういいでしょっ!?」
改めて私以外にこんな惨状の農園を声に出されてしまえばなんか惨めで……泣きそうになる。
それがテヒョンなら尚更で、私は悲しさと悔しさと色んな感情で心がめちゃくちゃで……本当は片付けるのだって今はもう…
しつこい呼び掛けに痺れを切らして振り向いてしまえば私の負けで、対するテヒョンは柔らかい表情で。
……あぁもう…私の泣き虫、
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tete?(プロフ) - 素敵すぎます!!キュンキュンしたし号泣しました!ぜひ続編が読みたいです! (2021年10月22日 20時) (レス) @page50 id: 9f2748196d (このIDを非表示/違反報告)
かおりんこ(プロフ) - 初めまして!可愛いキュンキュンするお話をありがとうございました!ソウル編ぜひお願いしたいです🙏💜 (2021年10月21日 20時) (レス) @page50 id: 938f0fcb54 (このIDを非表示/違反報告)
かづき(プロフ) - はじめまして。二人のかわいらしさにかは寄せられて、毎回更新が待ち遠しかったお話です。幸せな結末でうれしかったんですが、もう終わっちゃうのかと寂しくなりました。ぜひ、続編をお願いします。楽しみにしています。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 3327e12a6b (このIDを非表示/違反報告)
hal(プロフ) - はじめまして。楽しく読みました♪ ソウル編も読ませていただけましたら嬉しいです。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 17280345a0 (このIDを非表示/違反報告)
まりか(プロフ) - キュンキュンするお話ありがとうございます( ; ; )ソウル変更楽しみにしてます💜 (2021年10月20日 3時) (レス) @page50 id: fc911e40d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミイミイ | 作成日時:2021年9月9日 23時