1週間後、キミを収穫。2 【TH】

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何に泣いているのか私はちゃんと分かっていて、一度溢れたそれはなかなか止まってくれず、情けないけれどついでに鼻水も垂れ流してしまう始末。









　
｢……テヒョンのばかっ……こんな量、私だけじゃ無理だよっ……｣









　
ぐすぐすと泣く私から離れないポチは困っている表情で、心配かけてごめんねと言いたいけれど私は再び箸を握った。


今回もまた、頑張ってねってテヒョンの背中を押せなかったことが悔しくて。
10年前、夢を見つけた彼が旅立つ時に、私は妙な意地と寂しさを捨てきれずに幼さ故に頑張れって応援できなかった。



でも、それをまた繰り返してしまったのが悔しいと思うのに
再会して和解して、空白を埋めるように過ごしたこの数日が濃くて。


改めて新たな気持ちでちゃんと応援できるのか、と問われれば
きっと私はまた妙な気持ちを引っ提げて曖昧に笑っていたかもしれなくて……そんな自分勝手な感情はテヒョンを困らせるだけだけどまさかこんなに早く……それも何も私に言わせないように雲隠れするなんて、びっくりするに決まってるじゃん、









｢……よし、食べよう。｣









　
泣きながら食事をするなんて初めてで、心のどこかではひょっこりとテヒョンが現れるんじゃないかって思う自分がいて。


びっくりした？と、わが家のどこかから私をからかう様子が簡単に想像できるのに、こんな時に限っていないんだから困ってしまう。


めちゃくちゃなキッチンも散らかった部屋もいつもより多い洗濯物も、何故か今片付けてしまいたくてそのためにも……この美味しい手料理を食べなくちゃ。


……泣くな。









　
｢……う、……ふぇっ…………ひっく、｣









　
　
やっぱり今日ぐらいは自分を甘やかしていいかな、



好きって気持ちを伝えただけで満足なんて……綺麗ごとで。
テヒョンの暖かさを間近で感じた私の本心は、わがままな感情ばかりで埋めつくされている。







　

　


｢……会いたいよ、寂しい…………ぐすっ……もっと一緒にいたかったな、｣








　


こんな気持ちは絶対にテヒョンに言えないけれど
誰もいない、私しかいない家ならこんな独り言ぐらい許してほしい。


いつだって１人で頑張って解決して毎日を過ごして来たから。


弱音を言ったら負けてしまいそうで、折れちゃいそうだったけど


心の奥ではテヒョンはもっと頑張ってるんだからめげるな、なんて言い聞かせてたんだ、






　



　
　

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