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電話越しに聞こえる声色が何だか意地悪ですごく掌で転がされているような気がする。
……会議室にお茶、だなんて。
それを伝えるには随分と長い前フリだし頭が働かないなりに考えればたどり着く答えはただ1つ。
……先輩は私をただ、からかってるだけ。
「……わかりました。では、後程ご用意します。」
JN「ふふっ……うん。
先方さんは予定より早く来るみたいだから14時前にはよろしくね。
……それと、」
狼狽えていた、慌てていた私を嘲笑っているような声にぎゅっと唇を噛んでしまい、無意識に自分の声が低くなる。
……もう、誰にも振り回されたくない。
以前、私の謎の失態……一夜を共にしたらしいあれからソクジン先輩は人が変わったような、どこか雰囲気が変わったような気が否めない。
早くこの電話を切りたい私に待ったをかけるように何かを言い掛けた先輩は本当に……読めなくて。
JN「……電話のAの声も、すごく好き。
だからこうやってこれからもまた電話しちゃうかも。
じゃあ、後でね?」
言うだけ言ってブツリと切れたスマホをぎゅっと握り締めてしまったのは悔しいからだと……思いたい。
先輩が何を考えているのか分からなくて、
好きな子、と例えられてもこんなからかうみたいに言われたって。
私はっ……私には仕事しかないのに、どうして。
受話越しだからやけにダイレクトに聞こえた甘い声。
それに、騙されてはいけない。
……お腹すいた。早くお昼食べなきゃ、なんて。
目まぐるしく変わった日常に私は全然一体どうすればいいのだろうか。
こんな時、誰かに悩みを言えたらいいのに……と思う私は以前の私とは違うのかもしれない。
今まではそもそも人と関わらなかったからあまり大きなトラブルは無かった。
周りに分厚い壁を作ることで全部を回避していただけにいきなり壁をぶち壊してくるそれに……戸惑ってる。
ユンギ君は私の貫く姿勢を格好いいと言っていたけど結局は逃げているだけの臆病者。
貫けるなら今まで通りの鉄仮面でいたいよ。
……でも、本当にそれでいいのかな……
頭でっかちな私が、独り考えたって時間はあっという間でアラームは早くあの場所へ行けと指令を出す。
会議室に行くなんてあの日以来だ……なんて一瞬考えたのを無視して私は静かに足を踏み入れた。
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ミイミイ(プロフ) - マリさん» 作者の初作品から読んで頂けるなんて本当に嬉しいですありがとうございます(*^^*)私の書くピョンテを受け入れてくれて感謝です本当に救われます!これからも読んでくれたら嬉しいです頑張りますね!(*^^*) (2020年10月16日 14時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
マリ(プロフ) - はじめまして(^-^)そんなのズルイからすごい勢いで読んでます(笑)ミイミイさんの書くピョンテ 大好きです!もっと欲しいくらい(//∇//)それぞれと濃厚に絡んでいただきたいです!これからも楽しみにしてます(//∇//) (2020年1月22日 0時) (レス) id: c114e78b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - かんなさん» 楽しみにして下さって本当にありがとうございます!そして更新、返信も遅くて本当にごめんなさい(>_<)大好きなお話と言って貰えて嬉しいですし亀更新ではありますが納得のいく作品にしたいです!嬉しいお言葉本当にありがとうございます!頑張ります大好きです(*^^*) (2019年12月16日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - こんばんは(^○^)更新お疲れ様です!今回も大好きなお話です!3人全然違うタイプでドキドキしっぱなしです(*^^*)これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください(o^^o) (2019年12月8日 21時) (レス) id: 048af761aa (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - Pちゃん()さん» ありがとうございます!大変遅くなり申し訳ありません( 。゚Д゚。)これからちょくちょく更新がんばります!本当にいつもありがとうございます大好きです(*^^*) (2019年12月8日 19時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年11月15日 19時