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急にざわついたオフィスと女性社員たちの驚いているような反応に思わず顔を上げてしまえば、入り口付近でスーツに身を包む見慣れない男性が立っていた。
漆黒の髪は無造作にセットされ白い肌とどこか鋭い瞳、だるそうなのにタイトなスーツは妙に似合っていて。
ドアに寄りかかるようにオフィスを見渡すその人は私と目が合うとあ、と小さく声を上げる。
普段はモサモサ髪で伸びっぱなしなそれでも、今日は短くなってて。
服装だって作業優先で部屋着のようなだぼっとしたモノばかりを身に纏っていたくせに今日は何故かスーツ。
野暮ったい全てが彼の代名詞なのに素顔さえ見せない陰気くさい全てがその人そのものなのに。
私と目が合い名を呼んだのは、昨日の今日で私が何よりも会いたくなかった……ユンギ君だった。
あの部屋から出るはずのないまさかの姿で現れるなんて、一体何のためにここへ来たのか。
一斉に注がれる視線やこのタイミング、私の名を呼び当たり前のようにこの席に向かってゆっくり歩き出す彼の姿を目にしてしまえば、びくりとカラダが揺れてしまった。
YG「……よぉ。」
「…ユンギ……君?どうしてここに、」
椅子に座ったまま動けない私は沢山の視線や更にざわつく室内の雰囲気に逃げ出したくなった。
でも、すぐにユンギ君と目が合ってしまえばまたピタリと固まって。
隣の苦手な後輩君の視線然り、女性社員の突き刺さる視線も然り。
それをまるで気にしていないようにユンギ君はスーツの内ポケットからあるモノを取り出して。
……それを見た瞬間に私は言葉を失ってしまった。
YG「これ、お前の昨日の忘れモン。」
「っ……なんで、」
YG「……A。勝手に俺から逃げんなよ。」
「……!わざわざ今来なくたって」
YG「………はは。焦ってやがんの。まぁ、昨夜は」
「っユンギ君!…………場所を移しましょう、」
普段と全く違う姿に社内はこの男性は誰だ、とざわつき
それもそのはず、素顔だって同期の私さえまともに見たのは……昨日だった。
含みを持たせるような悪い顔。
わざとらしくこの場に現れ、焦る私を心底馬鹿にするように見下ろし、妙な言い回しで眼鏡とシュシュを机に置いた彼が何を考えているのか本当に分からない。
耐えきれずに私はこの場からユンギ君を連れ出してしまった。
…あぁ、何だか泣きそうだ。
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ミイミイ(プロフ) - まいさん» まいさんいつもありがとうございます!(*^^*)ジンニムついに動きましたね作者の妄想が止まりません!暴走するかもしれませんが引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです!更新も頑張りますね!(*^^*)ありがとうございます! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - しんはるさん» ドキドキしてくれるなんて嬉し過ぎます感激です!また楽しんで頂けるように更新も頑張りますねまた遊びに来てくださいね!(*^^*)作者ギャップ大好物です!頑張ります! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさん嬉しいよー!読んでくれてありがとうございます!ぴょんて作者にこれからもお付き合いして下さい笑更新も頑張りますー(*^^*)大好きです! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - てじそく.さん» その反応たまんないですー!てじそく.さん私が大好きですまじで!!これを活力に更新頑張りますね!(*^^*) (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
まい - いつも読んでる『まい』です!ジンニム、、くぅ〜たまらない!待ってました強引なジンニム!悪くて強引はジンニムにない印象なので、ギャップみたいなのがたまりません!今後も期待してます(^ ^) (2019年11月15日 16時) (レス) id: 2478bd21b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年10月14日 16時