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じっと見つめられて、でも見られたくはなくて目を逸らしても。
掴まれた腕は熱っぽくて、少し前の私なら鉄仮面塗りつけていても
もしかしたら柄にもなく赤面してしまう状況かもしれないけれど、今は凄く……悲しい。
離してくれない意味も言葉の意味も理解なんてできなくて。
擦れてる、とそっと先輩の指先が私の唇に当たった瞬間に肩が大袈裟なぐらい跳ねてしまった。
触らないで、と咄嗟にそれを払った瞬間にまたぼろりと涙が零れてしまい、雫は冷たい床にぼたりと落ちていく。
JN「……A。こっち見て。」
「…………!っ嫌です……私なんか放って置いて下さいっ」
JN「……ふふっ。無理だよそれは出来ない。
なんか今日のA……全然怖くないんだもん。」
……っだから、今さら私の名前を呼ぶなんて酷すぎるしどうして笑うの。
長年あなたの後輩としてこの課に在籍していたけれど、二人がこんな距離で同じ空間にいる事自体がきっと初めてだ。
離して、放って置いてという意思を何度ぶつけても
いきなり優しい笑顔を向けられて全然怖くない、なんて言われたらもうどうしていいか分からない。
「……私はっ……今1人になりたいんです!
もういい加減にっ、」
JN「……でも俺はAを1人にしたくない。」
「…………!…………うぅっ……ひっく、」
JN「……泣いてる理由を言いたくないなら聞かない。
でもせめて……泣き止むまで傍にいさせて。」
……淡い恋を抱いていたほんの少し前の私なら
きっとこんなセリフを聞いてしまえば、恥ずかしながらも喜んでいたのかもしれない。
泣いてる理由には以前あなたを困らせてしまった私の失態や、それに対してきっぱりと突き放された出来事だって……含まれているから。
私が泣いてしまう姿は珍しくても、先輩だって私の気持ちを無視するみたいに強引な一面を見せるのも珍しくて。
……こんな同情みたいな優しさは、私にとってはツライだけ。
ぐいっと涙を強引に拭って精一杯笑顔を向けて、
今度はやんわりと私の腕を掴む先輩の手をほどいて見上げた。
「……っもう、泣かないですから……
私は大丈夫なので今日の事は全部忘れてください。
……お疲れ様でした。」
営業先でも見せないような笑顔を貼り付けて
私は一人、オフィスを静かに後にした。
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ミイミイ(プロフ) - まいさん» まいさんいつもありがとうございます!(*^^*)ジンニムついに動きましたね作者の妄想が止まりません!暴走するかもしれませんが引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです!更新も頑張りますね!(*^^*)ありがとうございます! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - しんはるさん» ドキドキしてくれるなんて嬉し過ぎます感激です!また楽しんで頂けるように更新も頑張りますねまた遊びに来てくださいね!(*^^*)作者ギャップ大好物です!頑張ります! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさん嬉しいよー!読んでくれてありがとうございます!ぴょんて作者にこれからもお付き合いして下さい笑更新も頑張りますー(*^^*)大好きです! (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - てじそく.さん» その反応たまんないですー!てじそく.さん私が大好きですまじで!!これを活力に更新頑張りますね!(*^^*) (2019年11月15日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
まい - いつも読んでる『まい』です!ジンニム、、くぅ〜たまらない!待ってました強引なジンニム!悪くて強引はジンニムにない印象なので、ギャップみたいなのがたまりません!今後も期待してます(^ ^) (2019年11月15日 16時) (レス) id: 2478bd21b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年10月14日 16時