こじらせ女子のオトナ社内恋愛

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俺はこの人に腹が立ってるはずでいつも彼女を見るたびに気持ちは苛立ってたはずで。
営業先で活躍したこの手元にある資料だって分かりやすくてちゃんと纏められてて完璧すぎて悔しささえあった。





一目見ただけでどれだけ時間を要したかなんて分かるこれに非は全くない。中途半端じゃなくて細やかで丁寧なのに心配するなんて……これがきっと本来のキミ。






お腹すいた、なんてそりゃそうじゃん今何時だと思ってるの。馬鹿だろ……どんだけ仕事好きなんだよ、なんて。





苛立ちを含めた自分でも分からない変な感情が沸々と沸き上がる。









　




　
　
｢…先輩まだいたんだ。お疲れ様です。｣




｢…っ……お疲れ様。｣









　

　
いきなりの俺の登場に肩が跳ねて、でもさっきとは違う低いトーンで紡ぐ｢お疲れ様｣の言葉。




いつものくそ可愛くない無表情でサイボーグみたいなその全部にまたイライラするのは何でだろう。









　


　
｢…資料、ありがとうございます。無事に契約とれました。｣




｢…そう。おめでとう。｣









　


　
……ねぇ先輩。いつになったらこっち見てくれるの？




いつになったらその瞳は俺を……映してくれる？









　
本当は根も葉もないあの噂に押し潰されそうになった時だってあったんじゃないの？
それを否定しないままこんなに努力して１人でパソコンかじりついてたって、キミが優秀であればあるほどまた皆は煙たがって繰り返して……バカすぎでしょ。





……不器用すぎる彼女に笑えるし腐った女どものやっかみにも笑える。




でもよく分からない感情がぐるぐるし始めた自分が一番笑える。









　

　
俺と二人で夜のオフィスにいるのに今はいないソクジニヒョンのデスクを不意に見つめたキミに苛立ちが治まらない。









　





　
｢……これ、営業先で貰った新作です。
女性向けだし良かったらどうぞ。｣




｢……え、…いいの？｣




｢もちろん。｣




｢…ありがとう。｣









　




　
さっき営業先の可愛い女の子から貰ったお菓子を手渡せばちょっとだけ驚いて……ちょっとだけ嬉しそうにして。






いつもは人と目を合わせないくせに誰もいないこの空間に油断してるのか。
やっと俺に向けられた瞳にカラダのどっかがおかしくなる。





俺に下心全開だった営業先の女の子からもらったそれを手渡したことに少し後悔した俺は……やっぱどっかおかしい。









　

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