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無心になりたいとぼふん、と自室のベッドに身を預けてるのに、さっきからぐるぐると沢山のそれが私の頭を覆い尽くす。
……やっぱりお父さんに言われちゃったか……
さっきの会話を思い出してはまた項垂れる。
私に課せられた門限の存在。
お父さんが言いたいのはあくまでも遅くなる場合のみが9時であってそれ以外はなるべく早く帰りなさい、ということ。
最近は夜のあの時間にもたまにジョングク君に会えたりするから、それが嬉しくて敢えてあの車両に乗っていたけれど。
……当分それは出来ないな。
ジョングク君……あの女の子とホテル、行っちゃったのかな、
……もう彼には会わない方がいいのかな……私はただの顔見知り程度だし……邪魔、だよね。
負のスパイラルに陥ってはさっきから落ち込んでばかりな私は勉強も捗らない。
可愛い、ってジョングク君に言われて嬉しくて舞い上がっていただけに今はドン底で、くよくよする私はやっぱり世間知らずで何にも知らない子なんだ。
公園で出会ったあの男性は名前も知らないし他人でも初対面の私の涙を強引にでも……拭いてくれた。
あの強引さがあったからなのか涙は奇跡的に止まってくれて、私はあの男性に少なからず救われたんだ。
どこかでまた会えたら……ちゃんとお礼を言いたいな、
勝手に落ち込んで勝手に悩む私はどうやら自分で考えてる以上に……臆病だったみたい。
あの出来事から数日たった今。
大学に通うためのこの電車通学、この時間帯も
あなたに、ジョングク君に会いたいという気持ちはあるのに……それが出来なくて。
同じ車両に乗り込んでみるものの足は進まず敢えて沢山乗客がいる場所に留まってしまい、その隙間からそっとあなたを探してる。
……まるで今までの僅かな幸せだった時間がなかったみたいな、振り出しに戻ってしまうような行動を……しているんだ。
……あ、ジョングク君だ……
その姿を遠目で見つめて無意識にまた自分のバッグを強く抱きしめて。
きょろきょろと何かを探すように車内を見渡す彼を見て、
私はまた勝手に胸を高鳴らせてるなんて……あまりにも自分勝手すぎるよ。
そんな私を嘲笑うように触れた知らない誰かの何か。
おしりをスルリと撫でるその感覚に……頭が真っ白になった。
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おけ(プロフ) - 初めてコメントします!すごく引き込まれる話で一気に読んじゃいました!主人公の控えめな感じがすごくかわいいです! (2022年2月2日 1時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
anya(プロフ) - 初めてコメントです!!門限やぶり…私の一番大好きな曲でまさかあの曲が元とは知らずに題名に惹かれ読み始めましたが、最初の一文読んだ時に鳥肌立って!一気見です!凄く良かったです…そうそう、こういう曲だよと一人でニヤニヤしながら読みました。最高な時間でした (2021年12月1日 21時) (レス) @page50 id: 459e0f1979 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - みきさん» 返信遅れてしまいすみません!コメント本当に嬉しいですありがとうございます(*^^*)二人の恋の続き……絶対可愛いと思います私も妄想が止まりません(笑)きっとお互いに嫉妬して一波乱くらい展開ありそうです…たまんないですえへへ(*^^*)読んでくれてありがとうです! (2019年10月3日 22時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 可愛い2人に終始癒されました。これからもヒロインちゃんはグクに嫉妬することがあるんでしょうけど、きっとグクはその何倍も嫉妬しそうwまた2人の番外編があったら読んでみたいです!完結お疲れ様でした! (2019年9月30日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - じゅりさん» 読んでくれてありがとうございます!好きすぎて思わず突発的に書いてしまいましたがそう言って頂き本当に感謝です!次回も機会があればぜひ遊びに来てください(*^^*)本当にありがとうございました! (2019年9月29日 17時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年9月15日 21時