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いきなり過ぎる全部と他人で、しかも異性である目の前のこの人はパーソナルスペースやら何もかもを無視して、おっとりなのに……強引で。
「……ふふっ。……睫毛長ーい。
思ったより目おっきいね。
ほっぺ擦りすぎだよ?赤くなってる。」
泣かないの、と言いながらハンカチを奪い
眼鏡を取ってもいい?と聞いておきながら私を無視してそれを奪われて。
驚きとあまりの全てに涙は止まっていて、
それでもやっぱり初対面でのこれに私はついていけなくて。
「……ごめんね。
ハンカチ持ってるのに拭かないままずっと泣いてるのが見えて思わず声かけちゃった。
せっかくの可愛いハンカチ、使わなきゃ勿体ないよ。
ふふっ……Aちゃんって名前なんだ。」
しゃがんだまま目の前の男性は私のハンカチを眺めてそれを可愛い、とさらりと褒めて。
端っこに縫い付けられている私の名前を弾けるような笑顔で読んで。
子供っぽい全部な私なのに、このハンカチにも変な煩わしさを感じていただけに。この人の不思議な雰囲気に……私の涙はちゃんと止まっていて。
「……泣き止んで良かった。
Aちゃんは可愛いんだからこんな所で泣いちゃだめ。
俺は今からバイトあるからもう行くけど気をつけて帰るんだよ?」
不思議な人はぽん、と私の頭を撫でて立ち上がり
じゃーねー、とすぐに踵を返して。
戸惑い頭が追い付かなくて結局私は何も言えないままで。
腕時計を確認すればもう時間が無くて急いで公園を飛び出した。
「……なぁA。」
「……どうしたのお父さん?」
「……最近夜も暗くなるのも早くなってきたしAはいつも門限ギリギリだし……やっぱり父さんが送り迎えしようか。」
なんとか自宅について約束の時間にも間に合って。
安堵しながらリビングで読書をしていればお父さんから思わぬ提案をされてまた肩がびくっと跳ねる。
「……どうして?」
「門限を守ってくれるのには不満なんてない。
ただ……いつも門限ギリギリなのが少し気になっててね。」
「……そ、そっか。……ごめんね。大学の図書館が心地よくて沢山本があって気付けばいつも時間を忘れちゃうの。
明日からは……もっと早く帰ってくるね、」
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おけ(プロフ) - 初めてコメントします!すごく引き込まれる話で一気に読んじゃいました!主人公の控えめな感じがすごくかわいいです! (2022年2月2日 1時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
anya(プロフ) - 初めてコメントです!!門限やぶり…私の一番大好きな曲でまさかあの曲が元とは知らずに題名に惹かれ読み始めましたが、最初の一文読んだ時に鳥肌立って!一気見です!凄く良かったです…そうそう、こういう曲だよと一人でニヤニヤしながら読みました。最高な時間でした (2021年12月1日 21時) (レス) @page50 id: 459e0f1979 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - みきさん» 返信遅れてしまいすみません!コメント本当に嬉しいですありがとうございます(*^^*)二人の恋の続き……絶対可愛いと思います私も妄想が止まりません(笑)きっとお互いに嫉妬して一波乱くらい展開ありそうです…たまんないですえへへ(*^^*)読んでくれてありがとうです! (2019年10月3日 22時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 可愛い2人に終始癒されました。これからもヒロインちゃんはグクに嫉妬することがあるんでしょうけど、きっとグクはその何倍も嫉妬しそうwまた2人の番外編があったら読んでみたいです!完結お疲れ様でした! (2019年9月30日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - じゅりさん» 読んでくれてありがとうございます!好きすぎて思わず突発的に書いてしまいましたがそう言って頂き本当に感謝です!次回も機会があればぜひ遊びに来てください(*^^*)本当にありがとうございました! (2019年9月29日 17時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年9月15日 21時