21 ページ21
TH「……近づいたら思ってたより小柄な女の子だったから俺、その子の正面にしゃがんでさ。
泣かないでって……ハンカチ使えばいいじゃんってそれ掴んでほっぺた拭いてあげたの。」
「……ヒョン、それナンパじゃん。」
TH「……違うし!
まぁ拭くのに邪魔だったから眼鏡取ったらまさかの美少女で!結構ひびった。」
「……図々しいですね。」
TH「うるさいよ。
でさ、そのハンカチ手作りっていうか刺繍が入ってて。
そんで隅に名前まで入ってて今どきこんな子いるんだ!って俺、感動しちゃって。」
……突っ込み所満載というか。
いくら泣いてる女の子がいたからっていきなりぐいぐい行くこのヒョンの行動力には毎回驚かされる。
何気なくヒョンの話を聞いていたけれど。
でも……節々にあれ、と思う部分があるのはなんでだ。
閉店したこのダイニングバーでモップがけしながらも、ヒョンはさっきから作業してなくて俺も思わずその作業を止めてしまった。
「……ヒョン。その女の子ってどこの駅前公園で見つけたの?」
TH「……え?……たしかS駅だったかな。
あの子の名前は確か……」
刺繍の入ったハンカチで名前入り。泣いてる小柄な女の子。
S駅前の公園、眼鏡。
ヒョンの出勤時間を逆算してみれば、どんどんその女の子に合致するのは……キミ。
「…………A。」
TH「……お!……そうそう!Aちゃん!
なに、ジョングガの知り合い?」
「…………………彼女。」
TH「え、なに?聞こえない。」
「っ俺の…………彼女!」
はぁー!?なんて叫ぶヒョンを尻目に自身の口から出たその言葉に俺が驚いた。
……A、なんだよな。泣いてたって、
待て待て……ヒョン眼鏡取ったって、俺だって見たことないし。
思わず「彼女」と宣言してしまいそれに驚いて。
ただの顔見知りだし……電車でしか会えないし。
そんな俺とキミの関係は酷く曖昧で
口から出たその言葉と現実は……合ってない。
Aが泣いてる原因はたぶん、俺。
あの女の心ない言葉と俺の不誠実さが晒されてたぶんキミはそれに傷ついた。
原因が俺なら、その涙は俺が掬ってあげたい。
泣かないで、ごめんね、って言いながら……抱きしめたい。
……まじか。
俺……Aが好き、なのか。
1622人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おけ(プロフ) - 初めてコメントします!すごく引き込まれる話で一気に読んじゃいました!主人公の控えめな感じがすごくかわいいです! (2022年2月2日 1時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
anya(プロフ) - 初めてコメントです!!門限やぶり…私の一番大好きな曲でまさかあの曲が元とは知らずに題名に惹かれ読み始めましたが、最初の一文読んだ時に鳥肌立って!一気見です!凄く良かったです…そうそう、こういう曲だよと一人でニヤニヤしながら読みました。最高な時間でした (2021年12月1日 21時) (レス) @page50 id: 459e0f1979 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - みきさん» 返信遅れてしまいすみません!コメント本当に嬉しいですありがとうございます(*^^*)二人の恋の続き……絶対可愛いと思います私も妄想が止まりません(笑)きっとお互いに嫉妬して一波乱くらい展開ありそうです…たまんないですえへへ(*^^*)読んでくれてありがとうです! (2019年10月3日 22時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 可愛い2人に終始癒されました。これからもヒロインちゃんはグクに嫉妬することがあるんでしょうけど、きっとグクはその何倍も嫉妬しそうwまた2人の番外編があったら読んでみたいです!完結お疲れ様でした! (2019年9月30日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - じゅりさん» 読んでくれてありがとうございます!好きすぎて思わず突発的に書いてしまいましたがそう言って頂き本当に感謝です!次回も機会があればぜひ遊びに来てください(*^^*)本当にありがとうございました! (2019年9月29日 17時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年9月15日 21時