俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver. 3.5

just　one　day　64 ページ17

暗くなった空とは相反する街の明かりが、オッパの綺麗な全部を照らして。
その優しい微笑みを瞳に映してしまえばこの楽しくて幸せで、どきどきだった時間が終わってしまいそう。





帰りたくない、と思う感情や言葉は、今朝お兄ちゃんが教えてくれた話を聞いてしまえば喉まで出掛かって。
でも、わがまま言って困らせたくないと
イイ子ぶる自分のズルさとそれで、酷く葛藤する。





惚れた女のわがままを聞いてあげたい、なんて。
それはお兄ちゃんの感情であって、オッパはどう思ってるかなんて分からない。







……だって、だってっ……毎日の残業の理由、会えなかった時間の理由を今さら私は知っちゃって、急にわがままになんてなれない。





映画を観ながら時折目をこすって。
たまに首を揺らして……たまに私の肩に頭を預けた仕草。
隙だらけで可愛くて、愛しい、好きの感情で溢れたけど、でもすぐにオッパは起きてちゃんとスクリーンを見つめて。




……昨日も遅くまで、毎日遅くまで仕事してたんだってこと分からないほど私だって子どもじゃないよ。




……今日のために頑張ってくれてたんだよね？
私のわがままに付き合ってくれて、無理してたんじゃないの……って思えばこんな素敵なデートに水を差すような事いえないよ、









　
　
JN｢……風が少し強くなってきたね。
ここからは駐車場近いし車に乗ろっか。｣




｢……っ……うん。｣









　
　
　
オッパの車に乗るなんてそれこそ夢で憧れてたに決まってる。
でも、これに乗ってしまえば目指す行き先が我が家だって分かって……胸が苦しくなる。




嬉しいはずでも上手く笑顔が作れない。
助手席のドアを開けてくれるそのスマートな親切さは本当に王子様みたいで……でも今は酷く乗りたくない。




曖昧に頷くしかできない私はそれこそガキんちょで。
一気に暗くなった私にオッパが気づかない訳なくて。









　


　
JN｢……ふふ……A。乗ってくれないの？｣




｢…………っ……乗りたいよ……でも乗りたくないっ、
だって………これに乗れば楽しかったデートが終わっちゃうんだもんっ……｣




JN｢……はは。そうだね。終わっちゃうね。｣









　


　
……ほら、やっぱり。







この車に乗っちゃえば魔法が解けちゃうじゃん。






やだ、オッパに直接言われれば……涙が出そう。









　
　
　

　

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