俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver. 3.5

just　one　day　61 ページ14

あんなに観たがっていた話題の映画。
クラスでの子たちが彼氏と観てみたいよね、って口々に言っていて私もいつかオッパと……なんて思っていたこの映画。






長い、オトナのキスでカラダが熱くて呼吸だって浅くしかできなくて。
くちゅ、と離れた赤い二人の唇を繋ぐ透明な糸は暗闇なのに光ってるように見えてまたぶわっと全身が火照る。





何度も撫でる手が優しくて。
それに合わせてやっと酸素を取り込んでもそれ以外はまだ不能で爆発したまま。
酷く長いオトナのキスは慣れる訳なんてなくて唇はどこか腫れぼったくて。
見上げた先のオッパのそれも……真っ赤っか。









　
JN｢……ん。A、そろそろ映画観なきゃ。
お昼は一緒にこの映画を語らないと……ね？｣




｢……はぁっ……ん、……うん。｣









　
とん、と背中を撫でたり頭を撫でる暖かな手と優しい全部に諭されて。




離れがたいけど始まったばかりの映画だしデートだってまだ始まったばかり。
ふわりと抱き締められてまたきゅ、と手を繋ぎ微笑んでくれて。その切り替えの早さにちょっと悔しいけどやっぱりオッパの仕草言葉の全部が嬉しくて。




二人ランチしながらこの映画を語れるなんて想像するだけで楽しみすぎて。
オッパは私を転がすのが上手いと思うしそれに小さく頷けばまた優しく微笑んでくれた。









　









　
JN｢……はっは！いやー、あの展開はずるいね。
俺もまさか自分で泣くとは思わなかった。｣




｢……あれは誰だって泣いちゃうと思うよ。
どうしよ……思い出しただけでなんかまたっ…｣









　


　
大当たりだった話題の映画。
ラブストーリーでハッピーエンドだったけど、それまでの過程にまさかの展開が幾多も散りばめられてて。




……結果的に私もオッパも号泣しちゃって最後は二人ともティッシュの奪い合いまでするという、なんとものほほんとしたこっちの展開。




オッパが連れてきてくれた友人が営むこのイタリアンのお店では、未だに映画を引きずる私たちの熱い討論が繰り広げられ、それがまた……幸せで。









　
｢…ソクジナがまさか彼女連れてくるなんてな。
こんな可愛い子……大事にしろよ腹立つ。｣




JN｢ふふ。可愛いでしょ。見せびらかしに来たんだもん。｣









　
美味しいパスタにリゾットにオムレツにサラダ。
きゅんとくるセリフを言われてしまえばこんなに多い料理を目の前に、私はもうお腹いっぱいだ。









　
　

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