俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver. 3

just　one　day　33 ページ33

自意識過剰かもだけど結構モテるし自分でもそれを分かってて。
一目惚れしたあの子にアピールするものの手応えが全くなくて俺の気持ちは今日も空回り。





塾の教室の窓から見えるオフィス街。
そこを不意に見つめて切なそうな顔をする理由って？
塾生同士のカップルが仲良く下校する光景を眺めて微笑んだあとに……泣きそうな顔をするのはなんで？






成績優秀なのに塾に通う理由や成績優秀なのに下校せず居残る理由って何、なんて疑問はたった今分かった。









俺が一方的にキモチをぶつけて強引にキスをして。




　


彼氏がいる、と真っ直ぐ見つめた迷いのない言葉はどこか自分に自信があった俺のちんけなプライドを刺激して。
カッとなって今まで聞けなかった疑問を投げればキミは酷く傷ついた表情で涙を見せた。









　



　
反省するも初めてみた感情的なキミは大人びていた今までの印象を覆す、俺と何ら変わりない１７の高校生っぽくて。
可愛くて安心したのに夜遅くに街をさ迷う彼女の無自覚な行動、知らない人からの声掛けを見てしまえばその手を掴まずには居られなかった。









　


　



　









　

　

目の前で俺に鋭い視線を向ける男性はたぶんキミが教えてくれたキミの彼氏、なんだろう。





紳士的でスマートな出で立ちは半端じゃないぐらいに俺を子どもなんだと思い知らせるのにキミを感情のまま怒る様子を見て思うのは
……この人はキミが思ってる以上にキミが好きなんだってこと。
それが分からないほど俺、バカじゃない。








　




　
場違いな俺は最早ただの空気みたいで。
隣にいた彼女は見たことないぐらい泣きじゃくり子どもっぽく両手で涙を拭い、彼氏さんの横を駆け抜けて。









　


　
YG｢……はは。すっげー不細工。何泣いてんだよA。｣




｢…ふぇっ……お兄ちゃんっ……｣




YG｢……電話無視すんなよアホ。すげー焦った。｣









　

　
駆け出した先で慣れた様子でキミのとっしんに近いそれを笑って抱き留めたこれまたスーツを着た彼氏さんとは違うイケメンが登場してしまえば、いよいよ俺には本当に出る幕が全くないとわかって。









　
YG｢…ヒョン。今日は俺が悪かった。｣




JN｢…いや、俺が全部悪いんだよ。……はぁ。｣









　




大人の男性二人の会話を黙ったまま見つめていた俺。






彼氏さんはさっきとは真逆に綺麗な微笑みを俺に向けて振り返った。









　


　



　

just　one　day　34→←just　one　day　32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す