just one day 26 ページ26
……やだ、行かないで。
ぴくりと足が一歩、また一歩踏み出すも、ぼやけて霞む視界にはどんどん小さくなるオッパと綺麗な女性の後ろ姿だけ。
覚束ない足どりと自信のない自分の全部に中々前に進まなくて涙で何も見えなくて。
小さな段差に気がつかず縺れたそれはやがて高校生になって少しだけ大人になった気分でいた私をあの頃とは何も変わってないとでも言うように派手に転ばせて。
｢…………っ……いたっ…………うぅっ、｣
いつか見た夢。
一緒に歩きたくて、隣に並びたくて小さな私は走ってあなたの背中を追いかけた。
ドジで幼い私は案の定転んでしまってその場から動けなくて。
でも追いかけていたその背中はそのまま私に気づかなくてどんどん遠くに行ってしまって悲しくてぐすぐすと泣いて。
痛いのは擦りむいた膝や掌なんかじゃなくて自分の淡い恋心。
でも、やっぱり優しいあなたは振り向いて私と同じ目線にしゃがんでくれて。
ニコッと微笑んで私の望んでる事をしてくれる、叶えてくれるんだ。
……なのに。
｢……ふぇっ……っ……ぐすっ……痛いっ……ひっく、｣
派手に転んで擦りむいたそれも心も……全部痛い。
惨めで情けなくて当たり前に声をあげて泣きじゃくる私はあの頃からなに一つ変わってなくて。
いつの間にか追いかけ目指したあの背中だってどこにもいなくていつか見た夢は理想に過ぎなくて。
……オッパはあのホテルで何をするの、あんなに大人で綺麗で私とは全く違う女性と何をするの、なんて。
今日はまた残業だって、大きな仕事を任されて毎日忙しいけど必ず成功させるんだって疲れた声色でもどこか楽しそうに教えてくれたじゃない。
｢……キミ、こんな時間に１人でいちゃダメだよ。
泣いてるの？転んだなら俺とどこかで休もうか。｣
今が何時なのか分からない。
派手に転んだまま地べたに座り込む私を知らない誰かが腕を掴むも涙は止まらず抵抗は酷く弱々しくて。
｢…………はぁっ、この子に触んな。
何してんだオッサン早くどっか行けよ。｣
私の腕を掴むそれを強く振り払って。
ぐいっと引き寄せやがて優しく私を立ち上がらせたのは酷く息を切らしたジュンヨン君だった。
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(名前)ななナル(プロフ) - もう好きすぎて何度も読み返してます。 (2021年3月15日 21時) (
レス) id: 97d380efff (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - りんねさん» 嬉しいお言葉本当にありがとうございます！元気の源です本当に嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！また遊びに来て下さいね！ (2019年8月16日 3時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» ぽちさんありがとうございます！本当に嬉しいです(*^^*)ドキドキ、キュンキュンは作者大好物ですそう言って頂き本当に感謝です！やる気出ますよ(*^^*)更新も頑張りますね☆ (2019年8月16日 3時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
りんね(プロフ) - 本当に面白いです！キュンキュンです！いつも楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: be7f3328f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆むしろ…少しずつ少しずつ更新されていくコトが、よりドキドキに繋がって、丁寧な話の展開に毎回キュンキュンさせていただいております///これからも作者サマの負担のないペースで更新していただけると嬉しいです☆ (2019年8月15日 2時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱーふん
| 作成日時：2019年6月29日 15時
