俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver. 2

war　of　hormone　32 ページ32

｢…いってぇ……ふざけんなくそアマ！！｣









　


　

　
……あぁ、現実はそんなに甘くはないか…








精一杯の抵抗で震えるカラダに鞭打って頑張ったけれどもうだめ。
私のいきなりの行動とあまりの痛さに激情したのか髪を鷲掴まれてしまえば痛いやら恐怖やらで言葉も出せない。









　


　
TH｢ここにいるなら返事して……センセー。｣









　

　
コンコン、と酷く静かに聞こえた……ドアをノックする音。
か細いけど私の耳に確かに入ったそれはあなたの声。







…うそ……本当に？
その声を聞いてしまえばまだ姿さえ確認していないのにどっと涙が溢れてくる。
テヒョン君なの？私、ここにいるよ……







彼の声にぴくりと反応した男子生徒たちが咄嗟に私の口を掌て覆ってしまい返事ができなくて。





喉の奥から、んーっんーっと締め付けられたようなそれしか出ない。
お願いテヒョン君……気づいてっ








　



　
バアァァァンっ！と派手に鳴ったドアが開いて外気が湿っぽい倉庫に一気に入って。ぼやける視界の先には何度も心の中で名前を呼んだあの人。









　



TH｢……なに、してんの？｣









　
低すぎる声のトーンにこの場にいる全員の動きがピタリと止まって。ゆっくりただ一言呟いただけなのに空気が一気に冷えてしまう、そんな感覚。









　



　
｢なんだよ……邪魔すんなよ。混ざりに来たのか？ぎゃはははっ！｣




｢じゃー５人で回すか……ってな？ぶははは！｣




TH｢……へぇ。楽しそーだね。｣









　
ゆっくり、ゆっくりとこっちに近づく彼の足。
一歩進むごとにその姿が確認できれば涙が止まらなくて、でも情けないこんな私を瞳に映さないで欲しいとも思えて。





生徒たちに囲まれている私の前までくるとしゃがみこんで私を見つめて髪を撫でて。
耳にそっと唇を寄せて小さな声で囁いた。









　
TH｢……遅くなってごめんね……もう大丈夫だから。
少しだけ目を瞑ってて？｣









　


　
一瞬悲しそうに瞳を揺らしてにっこり微笑んで。
私に触れた指先と顔を寄せた時に感じた優しい香りに涙は溢れるばかりでこくん、と声も出せずに頷くことしかできない。





ぎゅっと目を瞑れば髪を撫でていた熱が離れて次の瞬間、鈍い音と呻き声がこの部屋中に響いた。







　
　




TH｢…………いつまで触ってんだよ……全員殺す。｣









　

　
……そんな声と一緒に。









　


　

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