俺とヒミツの恋、しよ？

war　of　hormone　7 ページ17

……近い、近い近い近い！



ばくばくと大騒ぎする心臓。
彼と目が合ってより一層ピタリと石のように固まるカラダ。



……どうして私は今までロクな恋愛をしてこなかったんだ。
たかだか高校生とのハプニングにこんな醜態を曝すなんて……と過去の自分を酷く責めたくなる。



思えばこの見た目のせいで昔から男を誘惑してるだの、援交してるだのありもしないここじゃ言えないくらいの酷い噂を立てられて。


苦しくて逃げこんだ保健室の先生がそんな私の悩みを真剣に受け止めてくれた……助けてくれた。
だから先生みたいに生徒に寄り添う素敵な養護教諭になりたかった。それだけだった。






大学生になってほんのり頬を赤く染めた先輩に告白されて産まれて初めて彼氏というものが出来て。わからないなりに頑張ったつもりだったけど彼は私を最初からその、カラダ目的としてしか見てなかった。



無理矢理されて痛くて悲しくて……あれ以来私は男性に対して距離を置くようになった。







……あぁ、先生。私はあなたのような先生になれません。
嘘しかつけない大バカ野郎です。
私は、先生なら切り抜けれるだろうたったこれだけのハプニングにすら打開策がないのです。









　



　
TH｢……センセ。心臓の音スゲー聞こえる。｣



｢……はっ、離れなさいっ……！｣



TH｢……はは。何だっけ。
女子が先生に教えて貰ったって言ってたのは確か……押し倒したらじっと見つめて最初は敢えて唇は外して顔中に口づけろ……だっけ？｣



｢…………えっ、？…………！……ちょ、……やっ…やめ……っ｣









　

　
黙ったまま私を見下ろすキム テヒョン。
私のおかしすぎる行動、言動にニヤリと笑う。



たぶん彼はこの僅かな時間で私のほとんどを見破ったんだろう。
いや、この僅かな時間で私はほとんどを自ら曝してしまったんだ。




私が取り繕ったそれをわざと掘り返し、試すようにちゅ、ちゅ、と顔中に優しく彼の唇が当てられる。
……信じられない。









　
　
　
TH｢ね、眼鏡取るよ邪魔………はは。
泣いちゃうんだ？｣



｢…返してっ……うっ……早くどいてって言ってるじゃない、｣









　



　
　
……もう限界。
情けない…情けないよ。



長年愛用してる眼鏡は私にとってはお守りみたいな盾みたいな鎧みたいな大事なもの。他人と私の間に壁を作るフィルターなのに、それを取られてしまえば……




我慢の糸が切れてしまった。









　
　

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