俺とヒミツの恋、しよ？

converse　high　4 ページ43

目的地まであと1時間。
大きなカーブで不意に揺れる車内。
窓にカラダを預けていた先輩がその反動でゆっくりと私の肩に頭部を乗せる。








……ち、近い。







無防備すぎやしませんか、ナム先輩！！
左肩に感じる頭の重さとその明らかな寝息により近さを実感していきなりの展開に胸がぎゅうぎゅうと締め付けられる。







二人きりの出張。
いつもはライバルみたいに社内でプレゼンを競っているけど今日は違う。
先輩の足を引っ張りたくないし、ミスしたくないし引き受けたからには絶対に勝ち取りたい取引だし。






……もしこの出張での仕事が成功したら、また先輩と一緒に仕事、できるかもしれないし……







あーだめだ！そんなの下心ありすぎる！
バカじゃないの私！集中しなきゃ、何のために今こうやって資料を見てるの、なんて思いながらも私の左肩にはしっかりとナム先輩の頭が乗っていて。






ここで無防備に寝ちゃうなんて先輩はきっと今回の出張も余裕なんだろうな……
いつも完璧なのにこうやって隙を私に見せるなんてずるい。









　
RM｢………その資料のデータ、少し古いやつじゃん。｣




｢……わぁっ！……せ、せんぱ……起きてたんですかっ？｣









　
不意に耳元に響いた低い声。
びっくりしてその主を辿れば私の肩に頭を預けたまま私の手元の資料を眺めていて。









　
RM｢……いやー俺もびっくりした。
知らないうちにお前の肩乗せてたんだな。
重かっただろ？…これもさんきゅ。｣









　


んーっと伸びをしながら左肩の熱が私から離れて。
起きたらしい先輩もまさかの体勢に驚きながらさっき膝にかけた私のパーカーを差し出して。






にかっと笑った飾らない笑顔。
職場にいるときとは違う少し砕けた雰囲気と話し方にまた胸が鳴る。
さんきゅ、と言いながら私の頭を数回撫でてきたその不意討ちにぼっ、と頬に熱が集まった。









　
｢…せ、セクハラですよ！……っすっごく重かったです肩外れそうでしたッ！｣




RM｢…お前な……こんぐらいで騒ぐなよ。
ホント学生どころかお子様だな。｣




｢……んなっ！？……人が気にしてるコトを！
先輩なんてさっきイビキすごかったんですからね！？私がお子様なら先輩はオジサンです！｣





　





　
……あぁ、可愛くない。素直じゃない。
本当に私、お子様じゃん。









でも、好きな人に頭を撫でられるなんて予想外すぎたし、恥ずかしかったんだもん。









　

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