そんなのズルイ。10

455　TH ページ8

｢いきなりなんだよ、｣




JM｢……いいから黙って見てて。
めちゃくちゃ良く出来てるから。｣









　


　
無理矢理ジミナにリビングのソファに座らせられてiPadを持たされて、何がなんだかわからない。





親友がタップすればそれは動画のようで
静かに再生された。









　


数分のそれは俺を簡単に驚かせて。




　


　
……え、
なにこれ……まって、訳わかんない。
頭が追い付かない。









　




　
JM｢…良くできてるだろ？
誰が作ったモノか分かんないけどめちゃくちゃ面白いよねー。
…お前のこんな顔が世界中にもう流れちゃってるよ？あはははっ！｣




｢…待って待って…まじでどーなってんのこれ、｣









　



　
再生されたそれは誰かが作った俺の動画。
けど……それにはAも映ってて。




今までのＶライブやメイキングなどの俺やAを引っ張ってはまるで恋人関係である、とでもいうように都合良く切り取られて上手くまとめたような映像。






たまにアイドル同士をあたかもくっつけようとしてる動画があるけど、それに似ているようで似ていない形容しがたい動画だった。






合成でもなく、たまたま映っている二人のそれぞれの目線は互いが互いを見つめていて、
俺自身、こんな表情をしていただなんて知らなくて。





まるで映画の予告みたいに作られたそれはやけにリアルで画面越しに見る俺は思ってた以上にAばかりを見つめていてその表情は言うまでもなく好きがだだ漏れしている。









　
｢…一言いってもいい？……｣




JM｢……ふはっ。なに？｣




｢…すげー恥ずかしいんだけど、｣




JM｢……あはははっ！
まぁ、だろーね。俺でさえも恥ずかしいよこんなの。
でもさ、何がすごいって内容もあれだけど再生回数とそのコメントだよ。……ちゃんと見てみて？｣









　



　
再生回数は既に100万回は越えていて、アップされたのは今日だった。





コメントは俺のその表情がリアルだったからなのか思ってる以上の暖かなものが多くて。









まるで男子高校生みたい

マネージャーの事が本当に好きなのね

アイドル同士よりマシ

ここに来てまさかのテヒョン

前から思ってたけどこの人嫌いじゃない

テヒョナがんばれ









　





　

　
黙ったままひたすらにコメントに目を通せば
まるで全て分かってるかのようなタイミングで俺のスマホが鳴り響いた。









　








　

456　TH→←454　TH

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す