そんなのズルイ。10

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｢そんなのズルイ。｣






それがキミの口癖。
可愛い可愛い、大好きなキミの俺に向けた精一杯の反抗。






可愛いなー。本当に可愛い。
そのセリフ、悪いけどそのままそっくりキミに返したいよまじで。







初めてじゃないくせに毎回毎回その反応はズルイってば。
吹いちゃうぐらいカラダは正直なくせにいつになったら自分がめちゃくちゃえろいんだって気づくんだろう。






自分で自分がどんなカオしてるのかちゃんと見たでしょ。
直ぐに頬を赤らめて半開きで真っ赤な舌をちらつせなががら俺の名前を呼ぶくせに。








その気になれば本気で泣かせる事だって
今以上に恥ずかしい、聞きたくないだろう言葉や行為だって簡単にできるんだよ……なんてね。







キミが思ってる以上に俺は鬼畜だし欲張りだしズルイやつ。
でもまぁ、今日は確かに色んなイベントがあっていっぱいいっぱいだろうし。
……そろそろとことん優しく愛でたいな。







散々泣かされて、自分のカラダに困惑して。
俺のわざとらしい仕草や言葉にぐすぐすと涙するキミが本当にいとおしい。







なんの意味のない腰に溜まっただけの状態のワンピースをゆっくり脱がせて、産まれたままの姿にしたキミをそっとベッドに押し倒す。









｢……綺麗だよ。本当に綺麗。んふ、俺の奥さん。｣









　
普段は真っ白なのに火照るカラダはほんのり桜色。
眉を下げたまま悔しそうに瞳を濡らし、ぎゅっと下唇を噛んで。









　


｢……もう、意地悪……しない？｣




｢……んふふ。どーしよっかなー。｣




｢…………っ！……ひどいっ、｣




｢……ごめんってば。いっぱいちゅーしてゆっくりするから。｣









　






　
Aが不安そうに俺を見上げる。
……そんな顔すればまた変なスイッチが入っちゃいそう。






意地悪、なんて人聞き悪いなーなんてどの口が言うんだと自分自身に突っ込みながらもキミの髪をゆっくり撫でる。
部屋の照明を落とせばスタンドライトだけが俺たちを照らし、そのまま自身の衣服を脱ぎ捨てて。


　



夜は長いし、今日は俺の我が儘に付き合ってもらうから。






だから今はキミの我が儘を聞いてあげるね、なんてあくまで上から目線の自分が心底可笑しくて。









　
広い宿舎で二人きり。
ピタリと素肌をくっつけてキミの顔中に口づける。




　

互いに見つめ合ってにっこり微笑んで
甘い、甘いキスをした。









　

　

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